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米国の図書館事情2007

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見落としてました…(^_^;

 ・『米国の図書館事情2007』(図書館研究シリーズ No.40)を公開しました カレントアウェアネス

 ・No.40 米国の図書館事情2007-2006年度 国立国会図書館調査研究報告書 カレントアウェアネス
 こちらには、目次も掲載されております。

総ページ数380ページの大作ですので、まだすべてに目を通しているわけではありませんが、さらっと見渡した中での注目は

1.1.1 図書館の運営形態 / 山本順一
 Library Boardについて書かれています。山本氏の図説では図書館委員会(Library Board)は図書館友の会から生まれるとあります。

1.1.2 図書館における「民営化」 / 井上靖代
 米国においても、アウトソーシングはひとつの流れとしてはじまっているようです。このレポートが2006年の調査研究ですが、昨今の経済危機を考えるとこの流れは加速しているように思います。ALAはアウトソーシング先として民間の営利団体にゆだねられることには反対しているようですね。
(日本における指定管理者制度においても、市民による非営利団体が担うのと、営利企業が担うこととは、住民自治という観点からも意味が異なる事を強調すべきだと思うのです。十把一絡げで指定管理者がダメ!というのも一方的すぎるかな)

1.5.1 図書館ファンドレイジングの動向 / 福田都代
 米国の図書館におけるファンドレイジング(資金調達)がシステマチックに考えられ実施されていることを伺い知ることができます。あらためてチームワークの国であることを感じますね。

第2章 米国の一般的な図書館のすがた
 こうした生のレポートは貴重ですね。あらためて米国における図書館の位置づけを感じるとともに、スタッフの方々どのように図書館サービスを実施しているかがわかります。

1.2 アメリカの小さな図書館-サン・プレイリー図書館 (Sun Prairie Public Library) - / 井上靖代
 う〜ん、プロフィールを見て衝撃!….蔵書92,271 冊、雑誌947 タイトル…で「アメリカの小さな図書館」なんだって..そうなんだ。

等々、とっても興味深い記事満載です。
(印刷した冊子は、日本図書館協会で販売してます)

 できれば…図書館利用者をパトロンとして捉えている旨の記述がどこかにあったらいいなぁ…と、思いました。もちろん原文中には patron が使われていますけど、報告書の部分では、ファンドレイジングにおけるドナー(寄付提供者)としては書かれていますが、すべての図書館利用者はパトロン(支援者)である…ととらえる視点が日本の図書館にも必要なんじゃないかな、と思っています。


それにしても…と思う。戦後GHQにより公共図書館のあり方が考えられたと思うのですが、どうして米国図書館をキャッチアップしてこなかったんだろう…って。まったくもって日本の図書館界は世界の中で“井の中の〜”“お山の〜”となって、インターネットのこの時代に気がつけばアジア周辺諸国の公共図書館像からも大きな遅れを取ってしまった。
今からでも遅くはない。日本の公共図書館も、善いものは善いとして、どんどんキャチアップしていく必要がある…と、思うのです。

(これから先、協定期間を考えるとどこまでできるかなぁ…という不安はありますけどね)

コメント

  1. ひろ坊 より:

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    甲府市で新市立図書館を建てたときに強く思ったのだが、図書館に30億円以上使ったが、そのときの図書の購入等(ソフト)には、3億円ほどであった。本来ならば少なくとも全体予算の3割以上を使うべきだと思った。ここでも箱物行政が幅を利かせていると思った。 Like

  2. SECRET: 0
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    >ひろ坊さん
    コメントありがとうございます。
    この国では建設前に検討委員会などと称して市民参加の場があるものの、基本的に一時的なもので、将来にわたってその施設に責任をもって見守る存在はおりません。
    ほんとうに、公共図書館が市民のための施設であるならば、地域住民自らが自治できる公共図書館像を要望することこそ、重要だと思います。それがどういうわけか「陳情」型になってしまい、「お願いしますだ、お役人様〜」の図式をどうしても変えることができません。それでいて「公共図書館は民主主義の基盤」と真面目な顔をして言う人がいるのですから…CHANGEすべき根は深い…と思うのです。
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