僕は「地域コンテンツはマスマーケットだけではない」と、考えています。
シンポジウムも無事終了し、むしろ次の一手、その次の一手に注目(?)が集まりそうです。
ただ、昨日のシンポジウムでは、政策側、放送局や新聞社側とどちらかといえば、コンテンツを持っているメディアからのお話しが多かったですね。そんな中でつなぐNPOの山本理事長のお話しは、次への展開のための新たな視点を提供していただいたように思います。
さて、
シンポジウムの中で、テレビ山梨さんやつなぐNPOさんが取り上げていた「ころ柿」のコンテンツは売れない…というような発言がありましたが、そのときはっきり気がついた事は、今日登壇された方々は「地域コンテンツをマスマーケットで捉えているなぁ」ということです。世界遺産の映像やスペシャル番組などは、そこだけ切り出してもDVDなどのパッケージとして販売できるものはあります。それは書籍の出版と同様なマスマーケットがあるんです。それは否定しません。しかしながら「地域コンテンツ」に関しては、マスマーケット的なコンテンツだけでなく、極めてプライベートなマーケットが存在していると思っているのです。ただ、まだそのプライベートマーケットに応える商品もサービスも登場していません。僕としては次の一手としてそこに応える商品やサービスの開発に向けた取り組み(何が課題で、どう解決して、商品化し、提供する)が必要かな…などと思っています。
地域コンテンツのプライベートマーケット
事例その1
「おばあちゃんののど自慢」
歌を歌うのが好きだったおばあちゃん。そういえば、おばあちゃんはテレビののど自慢に出た事がある。その時はビデオに撮っておけなかったが、親戚が集まった時にぜひ見てみたい。お誕生日に孫からプレゼント…とか、法事の時に想い出をふりかえるために…とか。
事例その2
「私の履歴書」
就職活動(就活)、結婚活動(婚活)に使うために、以前私がチラッと写っている番組があった。その時は録画しなかったけど、たしかインタビューにも応えたような気がする。私が写っている部分だけでいいから使わせていただきたい。
事例その3
「商工業支援」
飲食店などで、お店を紹介した雑誌や新聞の切り抜きが壁に貼られていたり、ラミネートして大事にされていたりします。技術的には動画もその部分だけクリッピングできる時代です。ぜひ、うちの工場、うちのお店、うちの宿を取り上げてたいだいた部分だけ使わせていただきたい。レポータの方によるインタビューやスタジオからのコメントなども含めて「うちのお店を紹介している部分だけ」が欲しい。できれば、その部分だけでも、うちのホームページで見てもらいたい。
プライベートマーケットの特徴としては
・その映像を見たいという人は少数限定
・その映像を欲しい、使いたいという人はテレビに出た事を自慢に思っている
・多少のお金を払ってでも、ネット上などでその部分だけをいつでも見れるようにしたい
・ただ現状では著作権法等でダメだと言われているが、私が写っているところだけなのに、なんでダメなのか理解できない
考えれば、もうちょっといろいろな特徴は出てくると思いますが、このプライベートマーケットに応える商品化が実現させることで、特に『その3』にあるように、多くの観光業者、商工業者でお客さんが増えることにもなり、産業支援、地域活性化にもつながる。
地域コンテンツは、「歴史的な貴重な映像」という側面だけでなく、「私や家族がテレビに出た」に価値を感じているプライベートマーケットが存在していることに、注目しないと市場(いちば)をつくることはできないんじゃないかな…なんて思ったりします。
平日は山中湖村の森の中にある図書館 山中湖情報創造館に、週末は清里高原の廃校になった小学校を活用したコワーキングスペースもある 八ヶ岳コモンズにいます。「わたしをかなえる居場所づくり」をイメージしながら、テレワークに加えて動画撮影やネット副業などにもチャレンジできる図書館/コワーキングスペースづくりに取り組んでいます。
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