Podcast: 20050720.mp3
地域の情報拠点づくりを考える中で、実は一番の根本的定義である「情報」とは何か..に対する、丸山的考察です。
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まずは、「情報」という言葉は、森鴎外による造語…というのは大きな間違いがあります。これは、明治34年に出版された、クラウゼビッツの「戦争論」(独)でNachricht(ナハリヒト)の和訳に始めて「情報」という文字を使ったとある場合が多いようです※ただし翻訳そのものはドイツ留学時の明治21年とも言われています※。
ですが実際には、日本の文献において「情報」がでてくるのは、
・明治9年「フランス歩兵陣中要務書」に始めて現れた和語で
・兵語としては明治15年の「野外陣中規典」に初出
されているのです。ここで注意すべきことは、文豪森鴎外は陸軍軍医でもあったということです。その関係で軍事用語としての「情報」は知り得ていたと考えられます。
またこの「情報」という文字の組み合わせは…すぐには関連づけられないように思え、何かの略語なのではないかと考えました。そこで軍事用語として捉えるならば、「(敵の)情況報告」
あるいは、「(敵の)情状の報知」という言葉が出てきました。つまり「情報」という言葉は、「情況報告」あるいは「情状報知」の略語ではないかと想像がつきます。
特にこの「情状報知」には、「情況」と「状況」があること、そこから「情報」と「状報」があることが見えてきます。ここで使われる「情状」は、いわゆる「情状酌量」に使われるものと同じであり、
情=メンタルな面もふくめた有り様。
状=物質的な面の有り様
と考えると、「情状」は物心両面を意味し、「情状報知」は物心両面の有り様を伝えたもの..となり、これが軍隊的に略されて「情報」となった…と、僕は捉えています。
森鴎外の和訳によるクラウゼビッツの「戦争論」は、軍隊だけでなく一般的に発売されたようなので、ここで始めて軍事専門用語から一般の用語として世に広まる事になったものと推測されます。ただ、この「情報」という言葉は終戦までは「諜報」とほぼ同意語であったようです。
平日は山中湖村の森の中にある図書館 山中湖情報創造館に、週末は清里高原の廃校になった小学校を活用したコワーキングスペースもある 八ヶ岳コモンズにいます。「わたしをかなえる居場所づくり」をイメージしながら、テレワークに加えて動画撮影やネット副業などにもチャレンジできる図書館/コワーキングスペースづくりに取り組んでいます。
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