「書籍が検索可能になる」ということについて、すでに残念ながら…手遅れになったように思う。
1.Googleブック検索
「それでも反対する人がいるのならしかたありませんね。」とG社はどこかの時点で判断するのでしょう。簡単にいえば、書籍を機械を使ってデジタル化しなければならないのは、[紙に印刷された本でしか残っていないもの]なのですから。
昨今の編集行程/印刷工程を考えれば、すでにその時点で[デジタル化]されており、印刷会社には大量のデジタル化された原稿が溜まっているんですよね。ある時点でG社はそうしたデジタルデータを持っているところと提携すれば、書籍の検索なんてできちゃうんです。
米国の図書館に蔵書している日本語の書籍は..たぶんいつかその程度の扱いになってしまうし、そう遠くない将来、それでも検索できない図書になることでその作家の良識が疑われるような事態に..ならないともいいかねない。「あ、この本が検索対象にならないのはね、あの時、作家自身が拒否したからなんだ」って言えばいいんですから。
2.Amazonの電子書籍
Kindle2および今回発表されたKindleDXはデバイス(装置)を売るのではなく、電子書籍/電子新聞/電子雑誌のための市場(マーケット)をつくることなんだと考えてみると、もうその時点で[全文検索可能な電子書籍マーケット]が誕生しているんですよ。なので、ここから先は「紙媒体の図書のスキャン」が必要なのは、書店に並んでいる本ではなくて、本当に図書館にあるような過去の本なんですね。
たぶん、日本人作家の小説などの英訳ものも、Amazonで電子書籍として購入できることを考えれば、その時点でスキャンも何も必要とせずに[全文検索可能]なんです。
3.日本の起死回生があるとしたら…
日本語書籍の全文検索の分野で、起死回生の手段があるとしたら、それは「国立国会図書館における納本時のデジタル化のための法律改正」ではなく、デジタル入稿データを持つ印刷会社さんが結束して、[日本語書籍の全文検索データベース]を作ることなのではないか…と、思っていたりします。この際“(米国の技術である)PDFでもよい”と割り切れば、すでに入稿されているデジタルデータをPDF化して保存するだけで、たぶん[全文検索可能な日本語書籍のデータベース]が誕生します。その上でG社やらA社やらと提携すればいい。実際にGoogleマップの日本版はゼンリンと提携していたりしますので、そのあたりの柔軟さは持っている会社だと思うのです。
日本の印刷会社さんは、[製版フィルム]は大切にとっておく習慣があるそうで、デジタルデータそのものには、あまり着目していないかもしれませんが、編集者から送られてくるDTPデータに、実は未来に光を当てる価値が眠っていたりする…と、思うのですね。
平日は山中湖村の森の中にある図書館 山中湖情報創造館に、週末は清里高原の廃校になった小学校を活用したコワーキングスペースもある 八ヶ岳コモンズにいます。「わたしをかなえる居場所づくり」をイメージしながら、テレワークに加えて動画撮影やネット副業などにもチャレンジできる図書館/コワーキングスペースづくりに取り組んでいます。
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