毎週土曜日は、ジュニアライブラリアンのワークショップを開催。
今日は、数日前の大雪のため、参加者は少数。
ちらっと覗いてみると、これがちょっとおもしろかった。
これまで、ポスターやアニメ、CMづくりなどをしてきたが、これまでの活動を振り返ってみて、本当に同世代に向けた読書推進活動には、実は重要な視点が抜けていた…ということだ。
つまり、子どもの読書離れと大人は言うけれど、すっごく本を読む子どももいれば、全く読まない子どももいる。そしてその中間にも何段階かがある…ということなのだ。
・とってもよく読む子
・なんでも読む子
・興味があれば読む子
・流行ものなら読む子
・マンガなら読む子
・ゲームの本(攻略本)なら読む子
・まず読まない子
・ほんとにまったく読まない子(教科書ですら精一杯)
単純にみても、このくらいの層が考えられる…という。それを大人たちは、ぜ〜んぶいっしょくたにして、「子どもの読書推進」なんて言っているけど、全然伝わらない…ということだそうだ。
なるほど、ちょっとかんがえてみても、これは大人の世界のいわゆるマーケティングの分野ではあたりまえのことで、対象(業界用語でターゲット)を分析し、そこにあった商品開発や広告展開を考えるのは、極々あたりまえのこと。だけど「子どもの読書推進活動」には、まったく考えられてきていない…と。
この国は、本気で子どもの読書推進を考えるのであれば、マーケット・リサーチからはじまる、いわゆる大人の戦略を立てる必要があるのだが、あいかわらず「おはなし会」や「読み聞かせ」さえしていればいい的な感覚が根強くある。そこをなんとかしないことには、子どもたちに対する読書推進活動などはできないんじゃないかなぁ…って、感じてしまいました。
そして子どもたちは、テレビの影響をとても受けていて、話題になる本/映画/アニメ/ゲーム…いわゆるCMで流れる事に関しては興味を持ち、そこから本を読む事はあるというのだ。最近では『恋空』なんてのが一例。いわゆるケータイ小説。描写もけっこうきわどいこともあるのだけれど、小学校高学年から中学生は読んでいるのだ。
子どもの読書活動推進…で、考え直さなければいけないことは、実は子どもが本を読んでいない訳ではなく、大人が読ませたい本を子どもたちが読んでいないだけ…のことなのかもしれない。実は大人が読ませたくない本を、子どもたちはしっかり読んでいたりするらしいのだ。
さて、来年度地域の児童奉仕の部会の持ち回りの担当がウチの館にまわってくるらしい。新しい県立図書館においても、子どもの読書推進のための拠点づくりが提言されていることもある。ここらで、本気で取り組んでみてもよいかもしれない。
平日は山中湖村の森の中にある図書館 山中湖情報創造館に、週末は清里高原の廃校になった小学校を活用したコワーキングスペースもある 八ヶ岳コモンズにいます。「わたしをかなえる居場所づくり」をイメージしながら、テレワークに加えて動画撮影やネット副業などにもチャレンジできる図書館/コワーキングスペースづくりに取り組んでいます。
コメント
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いわゆるライトノベルにしても、ついていけない大人は多いようですね。
遡れば、ゲド戦記や指輪物語も当時の識者から猛攻撃を受けていたことが、ル・グゥインの『夜の言葉』から読み取れます。
だいたい、大人の方がろくに本を読んでいないわけだし… Like
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>power_of_math さん
コメントありがとうございます。
次年度に向けて、とりあえずまだ個人的な思いですが、「地域コンテンツとしての写真/古写真」と「ティーンズの読書活動支援/図書館利用支援」を上げておこうと考えています。
書店で販売されている本に関しては、うちの優秀なスタッフに任せて安心状態になってますので。
そんな中で、図書館の先人たちの努力のおかげで「児童(低学年向け)の読書推進活動」には充分にそれなりの成果がでていると思うので、いわゆる“本離れ”が始める年代からティーンズ(図書館用語ではヤングアダルト)に対する、読書活動支援/図書館利用促進を考えて取り組んでみたい。そこには、「図書館がそんなことをすることはない…」と思われるようなこともあるかもしれませんが、それで子どもたちに効果があるなら、チャレンジしてみたいですね。 Like
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>だいたい、大人の方がろくに本を読んでいないわけだし…
耳が痛い…
で、例えば「夏休みの推薦図書」が何で毎年変わるのでしょうか。これは明らかに出版界の何らかの意図が働いていると思う訳です。
そうしたものがある一方で、
せめて小学校卒業までには読んでおきたい本
せめて中学校卒業までには読んでおきたい本
せめて高校卒業までには読んでおきたい本
せめて成人式までには読んでおきたい本
のリストを作っておきたいですね。それはもう古典から近代現代文学、ビジネス書の類いまであると思います。そして、そうした本のリストアップができたら、それの「ブックトーク」を動画にしておく。最近の子どもたちはYouTubeで動画を見るのはごく当たり前の行為になっているようなので、そうした所にアップしておく。なんといいましょうか、そんな風に努力を使いたいと思っているわけです。 Like
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この国はコドモが生まれてから系統的に成長の段階で与える本のガイドラインを作ってこなかった、というところに問題があるのではないでしょうか。
家庭から始めて乳幼児の段階から行けば、もっと読書率は上がります。いかにアニメやTVゲームが読書を阻害するものになっているかを警告する必要もあり。これが、どこでもなされていません。四十年前には名作だったものでも古びるものは山とありますが、いつまでも名作だとして読みきかせているおばさんたちには閉口します。もちろん残るものはあるけれど選書は常にアップデートしなければ・・・・。そういう体系を作って広めないと、十分の一を十分の1.5にするのもむずかしいです。
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