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読書の未来はどうなる?! 「図書館」(仮称) リ・デザインにあたり 本の未来と読書の未来を考えてみたりする – 読者の時間を節約するためにこれから先にできること

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こんにちは、まる3です。

今回は、「図書館」(仮称)を考えるにあたり、本を読むことってなんだろう?というあたりから、2030年の読書から2050年の読書について考えてみたいと思います。

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媒体(メディア)は器である

本は、文字や図版が印刷された紙を束ねたモノと言うことができると思います。特徴できなのは、記録媒体と再生方法が一体になっている点です。例えば映像が記録されているDVDやCDなどは記録媒体ではありますが、それぞれの再生機器がなければ、人間の五感で受け取ることができません。もしもDVDディスクをじ〜〜〜〜っと眺めているだけで映像が見えるようになったり、CDを耳に当てると音が聞こえるようになったりしたら別ですが、多くの媒体は「記録媒体」であり、そのまま再生することができないのです。

紙の本がデジタル化された電子書籍にしても同様です。ハードディスクやメモリーカードのような記憶媒体に保存されているのは0や1として認識できる凸凹/磁気の情報であり、それらは読み取り装置だけでなく、その符号を文字や画像や音声や映像にデコードするソフトウェアを介することで、はじめて私たちは視覚で認識できるディスプレイに表示されたものや聴覚で認識できるスピーカーやイヤホン/ヘッドホンを介して空気の振動を聞くことができたりします。

そして、紙の本の優位性は、この「記録媒体と再生装置」が一体化しているところであるという点をまず捉えておきたいと思います。

そして図書館はこの[記録媒体と再生装置]が一体になった[本]というものを、昔から扱ってきていました。

しかし、図書館が扱ってきたのはその[器]としての本なのです。

  • この器の名前は? :書名
  • この器の作り手は?:著者
  • この器を作ったところは?:出版社
  • この器は何についての中身が入っているの?:件名

までなのです。肝心な中身についてはタイトルや実物を手にとってページをめくることでしか知ることができなかったりします。

図書館における資料組織化は、この[器]に対しておこなわれているもので、検索はこの情報や知識や物語の[器]である本を探すことまで…というのが現状だったりします。

内容(コンテンツ)には、情報・知識・物語がある

その記憶媒体としての「器」の中身を、検索で知ることはとても難しいことです。そうはいっても、昨今のインターネット上の充実したサービスには、

  • 物語のあらすじがダイジェストがわかるサイト
  • 雑誌などは出版社サイトで目次が出ていたり
  • 他の人が読んだ際のレビューや感想
  • 中には本を読まなくても内容がわかるネタバレレビュー動画

などなど、たくさんの情報があるので、そうした中で知ることはできるのでしょうが、肝心の図書館においては、目次で検索したり、索引で検索したり、文章の中にある単語で探したりすることは…基本的にできていません。

青空文庫のような著作権保護期間が終了しパフリックドメインになった物語であれば、全文からの検索も可能ですが、そうでない…図書館の書架に並んでいる本を全文検索できるようになる時代は、まだまだ先の先だと思っています。

また仮に、図書館のすべての本が全文検索できるようになったら…どうでしょう。

キーワードで検索した結果が、何百項目にもなって、どれが重要で、どれが私が求めている情報なのかがわからなくなります。Google検索でも検索結果が何万件!みたいなことが起きますよね。

ただ、Googleはその検索アルゴリズムのなかで、どの情報が重要かのランキングをして表示しています。Googleも検索結果が役にたつものでなければ使う人は減ってしまいます。よりその検索キーワードに対して役に立つ情報を上位に表示させるかを、日々アルゴリズムを改良し、日々AIがランキングしているかもしれません。図書館が全文検索が可能になったら、そのランキングがどこまでできるか…。

そして、その本という記録媒体=器に盛り付けられる料理としての内容(コンテンツ)をいくつかに分けることができるように思います。僕が分けている分け方としては以下の4つ

  • データ
  • 情報(ラベル)
  • 知識(ラベルとラベルの関係性)
  • 物語(さらに複雑な関係性)

最近の図書館の目録規則にRDAというものがあって、主語ー述語ー目的語で意味づけ(セマンティック)する形式た登場しましたが、情報や知識、物語はそうやって生まれているように思うのです。

  • 情報=原子
  • 知識=分子
  • 物語=高分子〜有機体

みたいな感じで、原子番号によって陽子と電子の組み合わせがあり、その原子の組み合わせで分子ができていたり、その分子同士がさらに複雑な結合によって高分子になり有機体になり…そこから生命体が生まれたりします。

情報の場合は、ひとつの組み合わせがラベル(名前)がつけられることで、さらに他とのつながりが生まれる再帰的なところがあるので、どれが原子で分子なのかは、その時々によって捉え方がかわったりしますが、複数の情報の関係性で知識が生まれ、複数の知識が関係しあって物語が生まれる。

そんなイメージをもってみるのも良いかと思ったりもします。

図書館の[本]に対する資料組織化に対して、こんなことができたらいいな…というものとして

  • データの組織化
  • 情報の組織化
  • 知識の組織化
  • 物語の組織化

とか、ね。

Yahoo!のサイト単位の分類から、Googleのページ単位の検索へ

まえの投稿にも書いたけれど、いまの図書館はインターネット時代でいうとYahoo!のサイト単位の分類のようなものです。インターネットアーカイブでちょっと振り返ってみましょうか。

2001年7月13日のYahoo!JAPANのトップページ

Yahoo! JAPAN

ビジネスと経済をクリックすると

経営情報システム(16)をクリックすると、ようやく[サイトへのリンク]が表示されます。

思い出した人も少なくはないとおもいますが、それでももうY世代やZ世代からみれば「なにこれ使いやすの?」って思われるかもしれませんね。

こうした情報探索スタイルがいまの図書館なのです。[本]単位の検索でしかないのが現状だったりします。

それに対して

google.co.jpのトップページ

2001年7月13日

2022年2月22日

実はいまとほとんど変わっていません。右上にログインだのGmailだのがついているだけ。

ちなみに、Yahoo! JAPANのトップページは、こんな感じ

2001年7月13日

2022年2月22日

Yahoo!JAPANもWebサイトの分類表示はかなり昔にやめてしまい、現状では上の方にある検索窓によるWebページの検索になっています。

図書館の情報検索が、このようになるまでには…まだまだしばらく時間がかかりそうです。

その情報はどこにある?

かなり昔、僕がまだ図書館の仕事を始める前にある人から言われたことがあります。

「欲しいのは本じゃない。その情報はどこにあるか?を知りたいんだ」と。

もちろん、その情報の記載がある「本」かもしれない。あるいは博物館や美術館、水族館などの「施設」かもしれない。さらにいえば、それを研究している「学芸員」や大学の「研究者」かもしれない。本にこだわっているわけではないのだ。「その情報がどこにあるのか?」が知りたい。それがわかれば、電話もするし(まだインターネットが商用利用できる前だったので)、手紙も出すし、会いにもいく。

それ以来、僕の中では図書館の仕事をしながらも「その情報はどこにある?」を探すことが、それを探すための仕組みづくりがテーマになっていたりします。

そこから生まれたコンセプトとして『スーパーインデックス』があり、後に『叡智の銀河』となる仕組みづくりに、取り組んだりもしましたが、いまだちゃんと完成していません。

叡智の銀河 基本構成
1996年 山梨インデックス(株式会社アド井上にて)1999年 須玉オープンミュージアム(NPO法人 文化資源活用協会にて)2000年 八ヶ岳フロント(八ヶ岳情報文化研究所として)2005年 SuperOPAC(山中湖情報創造館にて)200...

ここまでは、その情報がどこにあるかを探索する時間を節約する方法はないものかと思っていた内容です。

読書の高速化、映像視聴と音声聴取の高速化

ここからは、本に書かれている内容(文章や図版)をいかに時間を節約して自分の知識にできるか…ということ。

読書には熟読、斜め読み、速読、フォトリーディングなどの読み方があるようですが、海外では「スキミング」と「スキャニング」という読み方が、ちゃんとできているようです。

スキミング

文章から要点を抜き出して、おおよそこんなことが書かれている本なんだなぁ〜を掴み取る感じの読書方法です。基本的にすべてのページをめくりながら、気になるキーワードを拾っていきます。さらに気になったところは少し文章を読むこともありますが、まずは全体を把握するためにページをめくります。

この時ポイントになるのが、見出しです。大見出しにある単語、中見出しにある単語、小見出しにある単語などは、かなり視線を止めるポイントになります。

スキャニング

本やその章に書かれている概要をつかむスキミングに対して、目的とする情報を探すのがスキャニングです。全部を読む必要はありません。目的の内容に行き着いたらそこを詳しく読み始めます。なので、ページをめくることは一緒ですが、目的の情報にあたればそれ以上すすむことはありません。まぁ、さらに先のページにも求める情報や知識があるかもしれない…ということで、ページをくくることはありますけどね。

このように、スキミングはこの本にはなにが書いてあるのかを受け取る技術であり、スキャニングは最初に探す目的とする情報があってページをめくっていくものです。

こうして一冊の本を、最初の1文字目から縦書きなり横書きなりで、ぜんぶの文字を目で追わなけれ読書じゃない!という一種の強迫観念から解放されることができます。

本を読まない人の多くは「本を読んでいる時間がない」という理由をのべますが、そこには読書は最初の1文字目から全部目を通さなければいけない…という気持ちがどうしても出てしまう。必要なところだけでいいんだよ、ざっと目を通してどんなキーワードが並んでいたかを知るだけでもいいんだよ…とは、なかなかならないのです。

最近では、読書だけでなく映画やドラマなども高速視聴が流行っているようです。10秒スキップとか、2倍速、4倍速で観ちゃう。昭和生まれなので、ほんとにそれでいいの?っておもうこともあるけれど、それでいいんです。1時間半の映画を45分や30分で…いや、どんどんスキップして最後のクレジットロールだけ?とか。

聞くところによると、オーディオブックなどの耳で聞く読書は、かなりの倍速でも聞き分けることができるようになります。1.2倍速、1.5倍速、2倍速、3倍速…人の耳は言語に対してはかなり高速に再生しても聞き分けることができる。

これも、読者の時間を節約する…ということになると思ったりするのです。

グラフィック・レコーディングからグラフィック・リーディングへ

ちょっと視点をかえて、こんなことも考えていたりします。

最近の会議やセミナー、ワークショップでのいわゆる板書。ホワイトボードへの記録が「文字」だけでなく、「絵(グラフィック)」で記録されていたります。いわゆる《グラフィックレコーディング》とよばれる技術です。

考えてみてください。1時間、2時間とかけて行った会議やセミナーの内容がホワイトボード1枚にまとめられるのです。これは単に記録にとどめるだけでなく、議論全体の構成だったり、この話をこの話は同じかもしれない…とか、文章も書きながらビジュアル/イラストでまとめられるので、ある意味で『ひと目でこの会議の全体がわかる』といっても過言ではない記録方法です。

特に、グラフィックレコーダーという肩書きもあり、その記録をまとめる才能を発揮する人材も多く出てきていたりします。

そこで、ふと思うのですよ。

ひとつの小説、物語を1枚のグラフィックレコーディングで書き表したら、読書の時間の節約になるかもしれない!と。竹取物語を1枚のグラフィックにするとか、我輩は猫であるを1枚のグラフィックレコーディングで表すとか。

当然ながら、そのグラフィックレコーディングをどう読み取るか…といったリテラシーも必要にはなると思いますが、ひと目見た瞬間に物語全体を把握することができるとしたら、これは素敵なことではないでしょうか。まぁ、推理小説で最後の犯人探しとか、どんでんがえしのある文章による芸術作品には向かないかもしれませんけどね。

そんな中で、映像の世界でもこんな表現方法があるというのを知りました。映画を10秒スキップでみる3倍速で見る…というのとは、ちょっと違うけれど、なかなかおもしろいです。







ニコラス・ネグロポンテ: 未来の30年史

読書の未来について、けっこう過激なビジョンを持っている人がこの人。ニコラス・ネグロポンテ。かつてはMITメディアラボの所長であり、TEDをつくったリチャード・ワーマンの親友でもあります。

TED Talkのトークが終わってから、クリス・アンダーソンとのアフタートークの中で、けっこうすごいことを言っています。18:00以降だけでもぜひご覧ください。字幕を日本語に自動翻訳しておくと良いかと思います。




飲む読書。

論文作成のための資料収集をプログラム化できないか

さて、ここまでは「人による情報探索・情報収集」でしたが、この先そうした情報収集・情報探索もプログラミング化できるようになるのではないでしょうか。

いまは、例えがGoogleアラートのようなキーワードを登録しておけば最新のニュースからピックアップしてくれるサービスがありますが、もっと積極的に情報を探す問い合わせ言語(クエリー・ランゲージ)。

図書館ならば、Library Query Language    Library-QLとか

博物館ならば、Museum Query Language   Museum-QLとか

いっそのこと、MLA-QLとか、MLAK-QL、GRAM-QLとか、MALUI-QLとか。

その情報はどこにある?を探してくるプログラム。インターネット上に放つと何日もかけて求める情報を集めてくるクローラーかもしれません。そした情報収集プログラムが、この先出てくるように思うのです。

大学生が論文作成のために図書館に通い、必要な本を探し、必要な複写を集め、時には図書、時には雑誌や学術論文集から…みたいな、何日も何日もかけて足を運んで集める資料は、この先「プログラミング」できるようになったらいいなぁ、と思ったりもします。プログラミング化できるのですから、それは保存され再利用され、誰それ教授のまるまる論文の際の情報収集のプログラミングを再利用するとか。

いまも、国立国会図書館によるレファレンス共同データベースがありますが、あれがプログラミング言語で記述できるようになる…というのもよいかもしれません。

もう、人が何日もかけて情報を集める時代ではなく、必要な情報は問い合わせ言語プログラミングでクロールさせて回収できる時代。ある意味で、そんな図書館サービスを提供することが、これからのDX時代の図書館に課せられた課題かもしれません。

レファレンス共同データベース

レファレンス協同データベース
レファレンス協同データベース(レファ協)は、国立国会図書館が全国の図書館等と協同で構築する調べ物のための検索サービスです。参加館の質問・回答サービスの事例、調べ方、コレクション情報など調査に役立つ情報を公開しています。

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