Podcast:20050820.mp3
僕にとって、敬愛する一人であるリチャード・S・ワーマン氏によれば、情報を構造化する方法には、以下の5つがあるという。
1.位置(Location)…地図
2.アルファベット(Alphabet)…順序
3.時間(Time)…時間軸
4.分野(Category)…カテゴリ表現
5.階層(Hierarchy)…程度
この5つで、LATCH(ラッチ)というらしいのだが…
以前の著書「情報選択の時代」松岡正剛訳では、階層がなくて連続量だったように思うのだが、それを含めて地域の情報拠点づくりのための情報システムには、この方法は有効である。
例えば、1枚のイベントのチラシを、地域情報システムに組み込み、構造化すると、
1.イベント会場の場所(地図上に配置)
2.イベントタイトルの読みがな(アルファベット:日本風に50音順に配置)
3.スケジュール表に入れる(時間軸に配置)
4.イベントの内容で種類分け(カテゴリに配置)
5.階層は….どうしたものか?
となると思います。
ところで、情報を組織化するための目的は何かという原点を考えておく必要がある。組織化は手段であり、組織化が目的ではないのだ。それは一言「その情報はどこにある」がすぐに判ることであり、ワーマン氏のキーワードでは、“アクセス”ということになります。情報にアクセスしやすくするために構造化(フレームワークにはめ込む)することになります。
で、そう考えると、LATCHだけでなく、もう2つほど付け加えたいと思うのです。
ワーマン氏のLATCHをベースとしつつ、丸山式情報の構造化の方法として
1.50音順
2.分類/カテゴリー
3.時間軸
4.地図
5.階層
に加え
6.連続量
7.物語
としたいと考える。
1.50音順による構造化(各国語の文字順序)
基本的には、主題/タイトルとなる名称のふりがなが基本となり、いわゆる50音順に情報を並べることである。書籍や映画などすでにあるコンテンツであれば、その書名やタイトルはありますし、人物名称は、そのままふりがなを50音順化することはできます。しかし、中にはタイトルづけそのものに苦慮するものもあります。例えば1枚の写真などの場合は、それにタイトルをつけるためのセンスも要求されます。
2.分類/カテゴリーによる構造化
情報を種類分けすることで構造化し、目的とする情報にアクセスしやすくすることである。種類分けにはいろいろな考え方がある。検索エンジンなどでも、Yahoo! の分類と、Infoseekの分類はおのずから違う。
3.時間軸による構造化
カレンダーや予定表などにみられる情報の構造化手法である。身近なところでは自分のスケジュール表から大きなところでは年表がある。
4.地図による構造化
カーナビにみられるような地図上に情報を位置づけたり、地面だけでなく人体を地図とみたてたり、自動車や飛行機などの乗物や機械を地図とみたてたりしながら、特定の情報を位置づける方法である。
5.階層による構造化
一番わかりやすいところでは、生物学における分類がある。門→網→目→科→属→種による樹形図や、パソコンのファイルの階層化などにより、求める情報にアクセスするための方法。
6.連続量による構造化
わかりやすいことで言えば、本のページ。基本的に99ページの次は100ページであり、一つ前は98ページである。情報が連続しているので、求める情報は、だいたいこのあたりにあるだろう、という目安ができ、求める情報にアクセスできる。大きさで並べる、重さで並べるなど、なんらかの項目における数量を昇順や降順などで並べるという方法である。
7.物語による情報の構造化
1〜6までは、情報さえあれば、半ば機械的に組織化できる方法であるが、物語による情報の構造化は、語り部やストーリテラーによる情報の組織化であり、とても人間的な情報の構造化である。歴史物語などにおける人と人との関係、人と出来事、位置づけなど、自由に情報を繋げ、情報と情報の関係づけができる方法である。
Storyという情報組織化は、さらにHiな物語になると、Hi-story(歴史)となるのです。
まぁ、こんな風に考えてながら、地域の情報拠点づくりを考えると、様々な種類の情報をごっちゃと入れ込んで、上の7つの構造化で取り出す(出力する)ことができるシステムが、地域情報拠点のためのシステムなのではないだろうか。
う〜ん、どうやって作ろうか….。
平日は山中湖村の森の中にある図書館 山中湖情報創造館に、週末は清里高原の廃校になった小学校を活用したコワーキングスペースもある 八ヶ岳コモンズにいます。「わたしをかなえる居場所づくり」をイメージしながら、テレワークに加えて動画撮影やネット副業などにもチャレンジできる図書館/コワーキングスペースづくりに取り組んでいます。
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