行政における「裏金問題」が、あちらこちらで報道されている。
確かに、悪い事なのかもしれないのだが、ちょっと視点を変えてみると、これって企業でいうところの、繰越金だったり、家庭でいうところの預貯金と、どこが違うのだろうか?って、素朴な疑問を抱いてしまった。節約して余ったお金を、翌年以降のために貯めておくことは、そんなに悪い事なのだろうか?
実はここには、歳入/歳出を基礎とする単年度会計の弊害があるということらしい。その年(歳)の収入と、その年(歳)の支出は、同額でなければならない…ということなのだ。年度末ともなると、予算を使い切るためにいろいろな取り組みが行われる。実はこれが自治体の財政破綻の原因にもなってはいないだろうか?
これはたぶん、公共図書館の経営においても同様なのだろう。その歳の予算はその歳で使い切らなければならない。節約して余剰金を出したとしてのそれは返還され、翌年度は削減の対象となる…こんなことでは、民間企業だったらあっという間に倒産しかねない。
また、行政の仕事を請け負っているNPOなどにおいても影響している。その歳の委託費等は、その歳にすべて使い切っていなければならない。歳入/歳出に対する会計報告の義務もある。ということは、NPOにおいて行政の仕事をしている限りは、繰越金や余剰金は認められないということなのだ(あらかじめ諸経費として組み込んでおくという手法も無くはない)。結果、行政の仕事を受けているだけでは、NPOに蓄えはできない。ということになる。
もう一度、視点を変えてみてはどうだろうか。
「裏金」って、どうしてダメなのか…を。
※「裏金づくり」を奨励している訳ではありません。むしろ「裏金」にしなくてすむ、余剰金の合法的な制度または取り扱い方法を考えてみてはどうでしょうか。
平日は山中湖村の森の中にある図書館 山中湖情報創造館に、週末は清里高原の廃校になった小学校を活用したコワーキングスペースもある 八ヶ岳コモンズにいます。「わたしをかなえる居場所づくり」をイメージしながら、テレワークに加えて動画撮影やネット副業などにもチャレンジできる図書館/コワーキングスペースづくりに取り組んでいます。
コメント
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税金なのでなかなか扱いが難しいですが、「余剰金の半額をフリーハンド予算として無条件に来年度も必ず確保できる」という制度があっても良い気がしますね。半額というのは、執行金額の圧縮を業務の一部分と見立てたため。
あとは、永遠にたまり続けるのを防ぐために、繰越年数の制限や上限を設けるとか。
こういう制度を作るためには、「成功が当たり前。成功しても褒めないけど、失敗したらボコボコ叩くよ。」というチャレンジしても特にならないような雰囲気や国民の目を変えていく必要もありそうですね。 Like