とある作文を書くために、ユネスコによる公共図書館宣言を読んでます。それはそれは、示唆に富む図書館にとっては宝石箱みたいな宣言文なのですが、その中に書かれている[図書館の使命]が気になってます。以下はその一文。
訳)青少年の想像力と創造性に刺激を与える
原)stimulating the imagination and creativity of children and young people
原文と比較すると、ちょっとニュアンスが違っている点が気になります。
stimulate を「刺激を与える」と訳してますが、刺激する、活気づける,激励する,鼓舞するなどの意味があり、いわゆる活性化させその気にさせる、というニュアンスがあります。刺激を与えて終わり…ではなく、刺激を与えて次の行動を促すことを、図書館の使命をして掲げています。また、原文には、children and young people とあるのに、青少年 だけしかかかれていません。childrenがざっくり削られています。
まぁ、原文通りに訳するとすれば、
stimulating the imagination and creativity of children and young people
児童と青少年の想像力と創造性を活気づける
になるのではないでしょうか。そう考えると、現在の公共図書館の青少年向けサービス、いわゆるYA(ヤングアダルト)サービスで、こうした創造性を活気づけるようなプログラムを提供できているか…といえば、ちょっと心もとない限りです。読書推進(いわゆる情報の消費活動)にのみ片寄るのではなく、ユネスコの公共図書館宣言にあるような、想像力と創造性を刺激し、情報や価値を創造する活動拠点としての公共図書館像が、確実にあるのだと、図書館人としては気に留めておきたいですね。
【資料】
・UNESCO Public Library Manifesto UNESCO
・ユネスコ公共図書館宣言 1994年 日本図書館協会
平日は山中湖村の森の中にある図書館 山中湖情報創造館に、週末は清里高原の廃校になった小学校を活用したコワーキングスペースもある 八ヶ岳コモンズにいます。「わたしをかなえる居場所づくり」をイメージしながら、テレワークに加えて動画撮影やネット副業などにもチャレンジできる図書館/コワーキングスペースづくりに取り組んでいます。
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