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知のエコシステム Knownledge Ecosystem (その4、5)

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Knownledge Ecosystem

ひとまずこの連載は、5つのパートで出来てます。
今回はOUTPUTとCONTROL

OUTPUT:出力
 他者のコンテンツを引用も含めた二次利用しつつ、EDIT:編集によって作成された[私のコンテンツ]は、自家消費しているうちは、まぁ多少データにつじつまがあわないところがあっても許されますが、これを、MARKET:市場に出して、配布するとなると有料・無料を問わず、データに整合性がなければなりません。ここは「知のエコシステム」が成立する上で重要なこと。

 私の作ったコンテンツは、他のこのようなコンテンツを二次利用しています。

が崩れていては、配布も販売もできません。ということで、OUTPUT:出力に必要な要因としては

・二次利用情報が成立しているかの確認
 (もし、編集途中で二次利用情報が崩れてしまった場合は、[再手続き]処理によって、もう一度引用元を洗い出しながら、正しい手続きである[二次利用情報]を、コンテンツに埋め込む作業を行う。

・配布用フォーマットにエキスポート
 再配布のためのフォーマットが、Kindle用なのか、ePUBなのか、PDFなのか、WORDや他のフォーマットなのか…等々によって、出力させる。

・MARKET:市場に[出荷]する。

食の市場をみればわかることだが、農家がいきなり市場に持っていくこともあれば、[農協]のような団体を通じて出荷することもある。また加工食品メーカーなどの法人も市場に出荷する。電子書籍時代においては、出版社はたぶんそんな位置づけになる。個人が電子書籍を出荷してもいいだろうし、出版社を通して出荷してもいい。

そして、購読者がそのタイトルに対して、無料ならそのまま。有料ならば対価を払って、コンテンツを購読し…それが、INPUT:入力として大きな「知のエコシステム」の循環が出来上がる。

ワンポイント
「知のエコシステム」においては、二次利用元に対する 1)権利の所在属性と、2)ライセンス課金属性が含まれる。これにより[自著]がいくばくかの金額で売れた場合、そこで使用した二次利用著作物のライセンス課金情報によって、二次利用した権利者のもとに[感謝の還元]が行われることとなる。
 ひとつの著作物が、二次利用として使われれば使われるほどその著作者に、ちゃんとただしくお金がめぐってくる。そんな感じだ。
 権利の所在情報やライセンス課金情報は、かなり個人の要望を反映した、様々なカタチを実現できるものである必要があると思うが、それでも、こうした[手続きコピペ]と[感謝の還元]が組み込まれることで、『知のエコシステム』は、大手のメディア企業だけでなく、市井のアマチュア個人であっても、そのエコシステムの循環の中で、自分の「知」を貢献させることができる。

 最初に、「食」の流通と似ていると書いたが、もう一方で エコシステムという名称のとおり、生態系と生物多様性のありかた…「命」の多様性と循環とも似ている。一部の巨大生物だけが生き残るのではなく、むしろ変化に対応した大小様々な生物=「知のカタチ」が棲息し、そこでこの『知のエコシステム』が持続可能な社会を作り上げていくのではないだろうか。

そして、最後の
Control:制御
 これは[私]という存在。私という存在からみれば、常に自分を中心に(?)この『知のエコシステム』は回っている。

 ・正しい手続きの元手のコピー&ペースト(二次利用)
 ・感謝の還元

 これは何も、ひとつの閉じた生態系である必要はない。一部には[権利管理団体]を作る必要がある…みたいな議論もあるようだが、そこはちょっと違う。様々なプラットフォームがあり、様々な課金システムが存在してよいと思う。ただし共通API仕様に基づくシステムである必要がある。

というわけで、とても大雑把ではあるが、『知のエコシステム Knownledge Ecosysytem』の循環は、同じ平面をぐるぐると回っているのではなく、回る毎に螺旋状に上昇していくイメージがある。それは「人類の叡智」がいっぽいっぽさらなる高みを目指していく…そういう姿の反映なのだ。

(ひとまず、ここまで)

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