ひとまずこの連載は、5つのパートで出来てます。
今回はOUTPUTとCONTROL
OUTPUT:出力
他者のコンテンツを引用も含めた二次利用しつつ、EDIT:編集によって作成された[私のコンテンツ]は、自家消費しているうちは、まぁ多少データにつじつまがあわないところがあっても許されますが、これを、MARKET:市場に出して、配布するとなると有料・無料を問わず、データに整合性がなければなりません。ここは「知のエコシステム」が成立する上で重要なこと。
私の作ったコンテンツは、他のこのようなコンテンツを二次利用しています。
が崩れていては、配布も販売もできません。ということで、OUTPUT:出力に必要な要因としては
・二次利用情報が成立しているかの確認
(もし、編集途中で二次利用情報が崩れてしまった場合は、[再手続き]処理によって、もう一度引用元を洗い出しながら、正しい手続きである[二次利用情報]を、コンテンツに埋め込む作業を行う。
・配布用フォーマットにエキスポート
再配布のためのフォーマットが、Kindle用なのか、ePUBなのか、PDFなのか、WORDや他のフォーマットなのか…等々によって、出力させる。
・MARKET:市場に[出荷]する。
食の市場をみればわかることだが、農家がいきなり市場に持っていくこともあれば、[農協]のような団体を通じて出荷することもある。また加工食品メーカーなどの法人も市場に出荷する。電子書籍時代においては、出版社はたぶんそんな位置づけになる。個人が電子書籍を出荷してもいいだろうし、出版社を通して出荷してもいい。
そして、購読者がそのタイトルに対して、無料ならそのまま。有料ならば対価を払って、コンテンツを購読し…それが、INPUT:入力として大きな「知のエコシステム」の循環が出来上がる。
ワンポイント
「知のエコシステム」においては、二次利用元に対する 1)権利の所在属性と、2)ライセンス課金属性が含まれる。これにより[自著]がいくばくかの金額で売れた場合、そこで使用した二次利用著作物のライセンス課金情報によって、二次利用した権利者のもとに[感謝の還元]が行われることとなる。
ひとつの著作物が、二次利用として使われれば使われるほどその著作者に、ちゃんとただしくお金がめぐってくる。そんな感じだ。
権利の所在情報やライセンス課金情報は、かなり個人の要望を反映した、様々なカタチを実現できるものである必要があると思うが、それでも、こうした[手続きコピペ]と[感謝の還元]が組み込まれることで、『知のエコシステム』は、大手のメディア企業だけでなく、市井のアマチュア個人であっても、そのエコシステムの循環の中で、自分の「知」を貢献させることができる。
最初に、「食」の流通と似ていると書いたが、もう一方で エコシステムという名称のとおり、生態系と生物多様性のありかた…「命」の多様性と循環とも似ている。一部の巨大生物だけが生き残るのではなく、むしろ変化に対応した大小様々な生物=「知のカタチ」が棲息し、そこでこの『知のエコシステム』が持続可能な社会を作り上げていくのではないだろうか。
そして、最後の
Control:制御
これは[私]という存在。私という存在からみれば、常に自分を中心に(?)この『知のエコシステム』は回っている。
・正しい手続きの元手のコピー&ペースト(二次利用)
・感謝の還元
これは何も、ひとつの閉じた生態系である必要はない。一部には[権利管理団体]を作る必要がある…みたいな議論もあるようだが、そこはちょっと違う。様々なプラットフォームがあり、様々な課金システムが存在してよいと思う。ただし共通API仕様に基づくシステムである必要がある。
というわけで、とても大雑把ではあるが、『知のエコシステム Knownledge Ecosysytem』の循環は、同じ平面をぐるぐると回っているのではなく、回る毎に螺旋状に上昇していくイメージがある。それは「人類の叡智」がいっぽいっぽさらなる高みを目指していく…そういう姿の反映なのだ。
(ひとまず、ここまで)
平日は山中湖村の森の中にある図書館 山中湖情報創造館に、週末は清里高原の廃校になった小学校を活用したコワーキングスペースもある 八ヶ岳コモンズにいます。「わたしをかなえる居場所づくり」をイメージしながら、テレワークに加えて動画撮影やネット副業などにもチャレンジできる図書館/コワーキングスペースづくりに取り組んでいます。
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