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地域コンテンツと公共図書館

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そう遠くない未来(将来と書かないところがミソ)、地域の公共図書館は[地域コンテンツ]を扱うようになる。いや、地域コンテンツが蓄積されるところは地域の公共図書館しかあり得ないのである。
現在、多くの公共図書館が、地域に関して収集しているものには、

 ・郷土資料
 ・地域資料

があるが、原則的には[書籍(本)]の形態をしていなければならない。できれば中綴じよりも背表紙がついている方が望ましい。なぜなら、書籍のカタチをしていれば、他の図書と同様の資料組織法(日本十進分類法、目録カード、OPAC)が使えるからだ。ただ、郷土資料が郷土の歴史や文化を伝える古文書や古い文献(近代あたりまで)が中心的なのに比べ、地域資料には現代〜現在の資料も扱うように広がってきた。

 さらに新しい試みとしては、新聞のクリッピング、新聞広告やチラシ、パンフレットなどの書籍以外の印刷物等を収集し

 ・地域情報

として取り扱い始めた図書館が登場している。だが残念なことに、書籍に対する資料組織法のように、このような多様な印刷物を取り扱える資料組織論が確立されていないため、図書館ごとに整理法が異なっているのが現状である。
 また、地域情報は今後さらに、印刷物に限らず、収集し整理・保存して提供する試みが求められる。例えばそれは、テレビやラジオ番組のクリッピング、地域の出来事を記録した写真やビデオ、録音資料などが考えられる。

 その先には、まだメディアとして顕在化されていない[地域の話題のネタ]

 ・地域コンテンツ

すらも、貪欲に収集し、整理・保存して提供することが、これからの図書館の大きな柱になっていくであろうと、考えている。これには、地域の図書館のサービスの方向性が変わる大きな出来事になる。すなわち、中央の出版物などを買い集め、地域に提供するといった、かつての水道の蛇口論だけではなく、地域の湧水/名水である地域コンテンツを全国/全世界に届ける役割を、地域の公共図書館が担う時代に向かっていくことなのである。
 その市町村の出来事は、隣町の図書館は扱ってはくれない。その町の図書館が全国/全世界に対する責任として、地域の情報共有の拠点になっていかなければならない、と考えている。

 地域の情報が書籍化されなければ公共図書館に入らない…という時代から、まだメディア化(顕在化)されていない地域の話題のネタを積極的に収集する活動を、地域の公共図書館が担う時代に進化していくのだ。
 それには、図書館の職員だけでは到底無理であろう。そうした地域のコンテンツを発掘し、市民によるメディア化の活動と、その成果を検索可能な状態でデジタルアーカイブ化していくこと。この四者の善循環システムをつくるために、今から何に取り組めばよいのかを考え、できるところから実践していかなければならない。

と、そう考えているのである。

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