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メディアセンター(昔は図書館って言ってたね)

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「これからの“図書館”像」は?

なんていう話をしはじめると…いつも気になるのは「図書館とは」論…が最初に出来上がってしまって、その壁の中での議論に終始してしまうことが多い。これを称して『図書館の壁』とでも言おうか。

この壁をどうとらえるか…という課題はあるのだが、「図書館」であることを誇示することにどれほどの意味があるのか…むしろ現在から将来にかけて、学校や地域に必要な「情報・知識・記憶をテーマにする機関」に何が求められるのか像を描き、それが現在の図書館のあり方の延長線上に置けるのか/置けないのか(全く別の施設なのか…)を考えてもいいように思う。

米国の学校図書館が、のきなみ“メディアセンター”としての変容を見せている。国内では大学図書館がメディアセンターに変わり始めている。これはたぶん子どもたち(大学生を子供というんは抵抗があるが)を取り巻く情報通信技術の進歩に対する危機感から、書籍だけでなく、パソコンやケータイなどのデジタル機器や、インターネットのような通信環境の中で、どのような「生きていく知恵」を身につけるかを真摯にとらえ、対応している結果ではないだろうか…と、捉えている。

4月1日より、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」(青少年ネット規制法)が施行される。では、フィルタリングさえすれば責任は無いのか…といえば、それは違う。むしろ大人たちが子どもたちに対して、そうしたインターネット利用に対してきちんと話ができることが必要なのだと考える。ただ…それを「誰が担うのか」で責任を押し付けあった結果が、フィルタリングだとしたら。フィルタリングさえしておけば指導は不要か。といえば、それは大きな間違いだ。

だからこそ、「図書館(という壁)」から「メディアセンター」としての位置づけを明確にすれば、そうしたメディアリテラシー、情報リテラシー、ネットリテラシーはメディアセンターとなる図書館が担うことになる。上級司書も否定はしないが、今危機感をもって求められるのは、そうしたメディアの専門家だ。しかもこれは子供だけでなく、一般の大人に対しても必要だと思う。

図書館をメディアセンターにすることで、意識は大きく変わる(ように思う)。
「これからの図書館像」から「地域の/学校のメディアセンター像」を描き、そこに必要な人材育成が必要だと思う(正直なところこの時点ではかなり後手後手ではあるが、やらないよりはマシ)。

※一般の大人も利用する公共図書館の端末にフィルタリングが必要かどうか議論もあろうが(少なくとも児童館や学童保育所など子たちが利用する場所であれば不可欠だろうが、だからといって一般の利用もある公共図書館にもフィルタリングを…というのはちょっと行き過ぎだと思う)。

コメント

  1. go男 より:

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    せんだいメディアテークでも思ったんだけど
    実際に中にあるのは「図書館」や「ビデオ貸し出し場」であったり「ホール」なんですね。ただそれらの絡め方が「メディアテーク」。考え方がメディアテークなんだなあと・。つまり、図書館を変える、という発想だと無理があるような気がします・・・。同様に博物館を変える、というのにも無理がある。変えるんじゃなくて、それぞれの施設を束ねなおし、新たな付加価値を別に、つける、という方が、リアルな気がするんですけどね・・・。変えようと思うと、変わらないじゃないかーという感じになるし、当事者も変わるもんか、という感じになる。笑 カッコだけ変えても意味ないですしね。いかがなものか。 Like

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    >go男さん
    そのとおりなんです。現状としては「その施設は図書館法なの?、それとも博物館法の施設なの?」みたいなカタチで、根拠となる法整備がなされないと、「メディアセンター」にはなりません。
    ただ、山中湖情報創造館は、その設置管理条例において「図書館機能を有する施設」なので、山中湖情報創造館という大きな円の中に、山中湖村公共図書館という円が含まれている感じになります。で、問題なのが、その残りの部分。
     山中湖情報創造館ー公共図書館=?
     (そういう意味では小さいながらも複合施設ととらえることもできる)
    この部分に、地域のメディアセンターとして何ができるかな…という取り組みがまだまだ充分ではない。それはデジタルアーカイブかもしれないし、市民メディアかもしれない。メディアスクールかもしれないし、Web2.0のためのパソコン教室かもしれません。
     米国のPublic Libraryは、戦争中からすでにメディアセンターとして機能していたという記録もあるんですよ。
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  3. TsunaguNPO より:

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    視覚的にはですよ、創造館は、しかし、図書館に見えていますよねー。笑 新しさっていつも、形に表れるわけじゃないですか。魚が陸に上がって別な姿を身に付けたように。せんだいメディアテークの場合は、建築そのものが変化を体現しているわけですけど、中身は、階層で分れているように見えます。ただ部屋の区切りのドアがなかったり、通路が会議室に変貌できたりという新しさはありましたよね。 Like

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    例えばこの写真
    http://www.flickr.com/photos/15434282@N00/3051272893/
    ニューヨーク公共図書館の読書室です。机の上に青白く光っているのは、利用者さんのノートPCの画面です。たぶん背中を向けているものもあるので、実際には見えている以上のPCが並んでいると思います。
     また、昔建築を学んでいる時に感動したのは、エンパイアステートビル(1931年竣工)が、外観を変えずにIT化し現在も現役の建築物として成立している。※うろおぼえですが、ファシリティマネジメントの話だったように思います※
    そういう意味では、僕のビジョンの中には、外観は茅葺き屋根で、囲炉裏のあるような古民家なんだけど、忍者屋敷のようになっていて、実は最新の情報通信技術が入っているというのは、けっこう好みだったりします。
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  5. go男 より:

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    笑。面白いですね。
    北口にできる図書館のスタイルは
    誰が決めるんでしょうね。
    やはり「図書」館になるんでしょうね。 Like

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    はい。たぶん「図書館」です。
    ただ、「県立図書館」というよりも「県民図書館」と名付けられる…かもしれません。
    図書館のスタイルは、昨年度に検討委員会によって作られていますので、基本構想はそれですね。具体的な設計図面は今描いているのかな…たぶん。 Like

  7. kuracyan より:

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    お久しぶりです。
    私は最近「図書館」という言葉を自分で使うことにちょっと抵抗を感じるようになりました。ここに書かれていることはまぎれもなく現実に図書館の周りに起きていることであると思うようになっています、
    今までは図書館という言葉が抵抗なく使えたのですが、どうもちょっと違うんじゃないかって思い始めています。
    先日 IFLAのルクスさんの講演を聞いてもますますその思いを強くしてしまいました。男さんが仰ってますが、やはり「図書館」という名称はゆるぎないもかもしれませんが、情報センターの要素なしでは考えられないんじゃないかなって・・・
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  8. SECRET: 0
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    >kuracyan さん
    go男 さんなんですよ。
    「図書館」の定義にこだわり、「図書」館にこだわり、自ら図書館に『壁』を作っている方々には、「筆箱」と「下駄箱」のお話しをしたいですね。
    ただ、最近感じているのは、いわゆるYAサービス/ティーンズサービスあたりが、ひとつの突破口になるかもしれない…なんてことを考えています。ケータイ、インターネット、ビデオゲーム、マンガ、アニメーション…「図書」以外の様々なメディアから情報を受け取ることが始まる世代に対して、地域の公共図書館は何ができるのか…真剣に考えれば考えるほど、図書館はとても重要な機関であり、存在であり、図書館が担わなければ多様化するメディアに対して、彼らを野方図にしてしまうという大人像を見せてしまう事になりますので。
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