前の評価は、内容によるものでしたが、物理的(?)に「読みやすさ」の指標はできないものかなぁ〜ということを考えていたりする。
そんな中でイメージしているのは
1.本文中に使われている漢字レベル
(◯年生で習う漢字を基準にしたもの)
2.1ページ内文字数
3.ページ数
4.総文字数(1ページ内文字数×ページ数)
5.漢字密度(使用漢字数/総文字数×100)
6.文字密度(1ページ内文字数/ページ面積)
7.ふりがな率(ふりがな付き漢字/総漢字×100)
8.挿し絵率(挿し絵面積/(ページ面積×ページ数)×100)
9.会話率(「」表現の比率: 会話文字/総文字数×100)
10.平均文章長(ひとつの文章の平均文字数)
11.平均章長(ひとつの章の平均文字数)
12.語彙レベル/使用単語レベル(基準になるものがないので…ちと難しい)
これらを指標として、もにょもにょ〜と公式にあてはめて…計算結果として
読みやすさ度 ★★★☆☆(5段階評価 3.2)
みたいな感じに落とし込む。こんなものができれば、子どもやティーンズはもちろんながら、大人であっても何を読んだらいいかを判断することができる。
さらに、自分の読書力レベルを把握する事もできるんじゃないかな….なんて思う。
(結果としてたとえば「怪傑ゾロリシリーズ」などは、平均して1.8〜2.2の間くらいかな…とか。ゾロリシリーズを何冊読んでも読書力アップにはならないよ。っていう読書指導の裏付けになればいいかな。)
例えば…こんな本もあるのですが…
読書力 (岩波新書)
斎藤 孝 / 岩波書店
この本の冒頭に、読書力には目安が必要とか、スポーツとして捉えて上達のプロセス云々…という記述が出てくる。また「読書力がある」ことの基準についても書かれてはいるのですが…なんとも大雑把すぎで、スポーツでいえば「走っていればそのうち早く走れるさ」みたいな突き放し感。けっしてコーチ役でもなければ、初心者から上級者に至るトレーニング法を書いている訳ではない…ちょっと残念…なところですが、「読書をスポーツのトレーニング」と同様に捉える視点は間違っていないと思う。でも、これだけじゃぁ、ダメなんだよね。
どなたかこんな研究をしている研究者の方はいらっしゃいませんか?
平日は山中湖村の森の中にある図書館 山中湖情報創造館に、週末は清里高原の廃校になった小学校を活用したコワーキングスペースもある 八ヶ岳コモンズにいます。「わたしをかなえる居場所づくり」をイメージしながら、テレワークに加えて動画撮影やネット副業などにもチャレンジできる図書館/コワーキングスペースづくりに取り組んでいます。
コメント
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コメントありがとうございました。<(_ _)>
PISAの例で見れば、日本では「結果」のみに焦点があてられ、実際にどういう構造で読解力が構成されているか(つまり、レベル分け)には、ほとんど注目が集まりませんね。
コメントいただきました「Accelerated Reading Program」も、たぶんアメリカだからこそ成り立つのではという気もします。というのも、アメリカは移民の国で、まず「英語」を習得することが必須です。
ゆえに様々なプログラムが発達し、本でいえば「Graded Readers(多読)」が発達しています。
そんな土壌があるからこそ「レベル分け」にも慣れているのではないかと思います。
日本でいう「読解力」が日本国内での共通コードなのか、それともグローバルスタンダードでの共通コードなのか。
まずはそこがはっきりしてくると、「国語」と「読解力」の境界線が見え、本の活用にも日本独自の様々な方法がでてきたりするのかもしれませんね。
ちなみに、ニュージーランドでは、Reading Recovery Program というのもやっています。
これは完全に人ベースです。
長々と失礼しました。 Like
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>岡部さま
わざわざコメントをいただきまして、ありがとうございます。
最近特に気になるのが、ネット上での言葉のやりとりの中で、いわゆる“炎上”が問題となり、人を傷つけたり傷つけられたり、することがありますが、あれなどは、日本語による説明力と読解力の無さからくるのではないか…と思っていたりします。読書がすべてではないでしょうが、国語教育が文芸作品重視からコミュニケーション重視に向かえば、おのずと「読解力」の重要性が際立ってくると思います。しかしながら、PISAショックによって「読解力」を重視するあまりに、百科争乱(?)状態に陥っていないかとも危惧していたりします。
日本は移民の国ではありませんし、義務教育の国ではありますが、だからといって「日本語習得」のために様々なプログラムの発達は必要ない…とは思っていないのです。Graded Readersもまた多読ではありますが、読み解くに必要な英語力の段階(Grade)をきちんと別けているからこそ、多読が可能なのだと思うのです。そのあたりが、「小学○年生向け」としかされていない日本の書籍に欠けているところのようにも思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
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