前回、Library Boardについて話題にした。こちら
その後、いろいろと考えてみると、図書館運営/図書館経営に関して、やはり不足しているものがあるように思えるようになってきた。これはNPO法人を考えてみるとわかりやすいかもしれない。
NPO法人は、会員による[総会]、会員より選出された[理事会]、ミッションを実行する[事務局&各事業部]です。
一般的な株式会社でいえば、株主による[総会]、取締役による[役員会]、社長以下サラリーを受け取り事業にあたる[従業員(社員)]です。
この図式によるガバナンス(統治あるいは評価機能/チェック機能)が働いて、健全な機関や法人の運営ができる。
これを公共図書館に置き換えて考えると、理事会や役員会に相当する組織が存在していないことに気がつきます。図書館法には名称として『図書館協議会』の設置はうたわれていますが、それは飽くまでも「館長の諮問組織:館長の下に設置され、館長にアドバイスする集まり」としてであり、上記の「理事会/役員会」的な組織とは根本的に異なる。
また、設置自治体と直接の担当となる教育委員会(事務局)ではあるが、これでもない(ように思う)。
というわけで、これからの図書館に必要な存在としては
図書館理事会
なのではないだろうか。これがいわゆる教育委員会(委員選出による)の下部機関であってもよいし、外部的な機関であってもいい。ただし、地域の図書館の持続的な発展に対して責任をもち、税金からの公的資金が削減される状況の中で、[資金調達:ファンドレイジング]にもとりくみ、寄付金募集や資金調達にも奔走していただく。反面、理事として館長の人事権なども有するくらいの力を持たせる。指定管理者制度であるならば、指定管理者の選定すらもできる。そのくらいの《図書館理事会 Library Board》です。
僕自身はまだ諸外国の図書館におけるLibrary Boardについて、ほんの少し知り始めた程度で、まだまだ調査研究が足りませんが、地域の公共図書館の持続的な活動を支えるためには、経営手法として直営・業務委託・指定管理者・PFIなどがあるとしても、地域の方々による(あるいは利用者:パトロンの代表としての)理事会を設置することが必要なんじゃないかなぁ….と、思っていたりします。
どなたか、「図書館理事会」あるいは「Library Board」について、情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひコメントをお寄せください。
※ Library Trusteeというのもあるらしい….
平日は山中湖村の森の中にある図書館 山中湖情報創造館に、週末は清里高原の廃校になった小学校を活用したコワーキングスペースもある 八ヶ岳コモンズにいます。「わたしをかなえる居場所づくり」をイメージしながら、テレワークに加えて動画撮影やネット副業などにもチャレンジできる図書館/コワーキングスペースづくりに取り組んでいます。
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