この類いは、どうやら《特許》の対象にもなるらしいので、あんまりあれこれ書かない方がいいみたいなんだけど、そこはやっぱり書いちゃうんですよ。(^_^;
これまで考えてきた中で、読みやすさ度を数値化するポイントがいくつかあります。
1.文章解析
いわゆる、テキストを形態素解析する考え方。日本語の文章には、ひらがな/カタカナ/漢字/英数字(ローマ字、英単語)などが混じりあってできています。それらが、どのくらいの頻度で登場するのか、また、辞書などとつきあわせながら、使用頻度などを解析する方法。実はこの技術は、ワープロソフトや日本語入力(かつてはFEP: Frontend Processerとよび、今ではIME:Input MEthodと呼ぶもの)の変換率を高めるためにも使われている。さらには、検索エンジンに入力された語句から、検索語を抽出するのもこのあたりの産物。
ただ、これだけでは「本の読みやすさ」の判断には足りないのです。
2.レイアウトデザイン
グラフィックデザインや編集デザインの領域です。同じ文面であっても、紙面にどんな書体を使い、文字の大きさ、字間、行間などの要素によって、読みやすさやずいぶん変わります。書店で立ち読みなどをするときも、ぱらぱらとめくって、簡単そう…とか、難しそう…を判断するのは、上記の形態素を瞬時に判断しているわけではなく、むしろ視覚的な要素によって判断していたりします。文字が大きい、漢字が少ない、挿し絵の面積が広いとか狭いとか…。そんな要素もまた、「読みやすさ度」を判断するひとつの指標になると思っています。ここには、本の大きさや重さ、紙の種類なんかも厳密にいえば入ってくるし、さらにいえば、小口(背表紙じゃない方)の断裁によってもページのめくりやすさが変わってくる。※これについては昔っから思っていることがあって、あの「ナショナルジオグラフィック」って、なんてページがめくりにくいんだろう…って。ぱらぱらとめくることができない…で、これはたぶん《意図的に》そうしているんじゃないか、ぱらぱらとめくれないからこそ、じっくり一ページ一ページを読んでもらいたい/見てもらいたい…という意図があるんじゃないか…って※
3.学年別配当漢字
児童書に特有な要素として、何年生で習う漢字が、子どもたちにとっては、読書をする上で大きな要素(ときに障害)となる。文章の中に使われている漢字の中に、6年生で習う漢字が多く含まれていると4年生にとっては読みやすさは低くなる(読みにくくなる)。そういう意味で、学年別配当漢字は、大きな要素です。※と思っていたのですが、実はこれは子どもだけじゃなく、読めない漢字が気になる大人にとっても、大きな要素なんじゃないか…って思うようになりました※
ただし、この壁を乗り越えられる要素があるんです。それは《ふりがな》。デザイン的にいえば《ルビ》です。これがあることで、まだ習っていない漢字でも読めてしまう。ということで、1)学年別配当漢字だけでなく、どの程度ふりがなが振られているかという意味で、2)ふりがな率も「読みやすさ度」の大きな要素です。
たぶん同様の意味において、英単語などもそんな扱いになるかもしれません。
4.カタカナ語/略語/ワカモノ言葉/業界用語
これはまだうまく捉えられないのですが、文章中の《カタカナ語》も、文章を読みにくくする要素だと思うのです。声に出して読むことができても、それが何を意味している言葉なのか..まったくわからないことがあります。だいたいは外来語の場合が多いのですが、ときとして流行語がカタカナで表現されたりします。正直僕は「レジュメ」とか「シラバス」と言った言葉を知らない時もありました。「KY」とか、医療や法律の中で使われる専門用語なども、文章を難解にしてしまう要素です。
というわけで、日本語の文章の読みやすさ度(その本を読むにあたり必要とされる能力)をランク別け/レベル別けする要素としては、上記の4つに注目しておけば、ある程度の基準となるものができるのではないか…と、考えています。
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そして、これらの基準づくりができたら….次に控えている作業としては、
・実際の図書からのサンプリング:統計学という便利な道具が世の中にはあるので、なにも全文を解析しなければならない訳ではありません。
・サンプリング数値のフィードバック:実際に協力してくれる人(子ども)たちに、それぞれを読んでいただき、サンプリングの数値と読書感とのマッチングをおこないます。
・このあたりで、それぞれの図書に対して、日本語図書の読みやすさ度を、5段階だか、10段階だかにレベル別けをする。
・それぞれのレベル×文量(ページ数)などから、その本一冊を読み終えるのに必要な《読書総力》をポイント化します。レベル3.2で250ページある本を読み終えたら、800ポイントゲット!みたいなイメージ(実際にはある程度の定数を設定して、妥当なポイント数にしますけど)。
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ここまでの下準備をしたら、あとは総掛かりみたいな感じで、
・対象図書を読み
A.内容を判断できる指標を作成 スリル度いくつ…とか、ラブ度いくつ…みたいな。
B.一冊につき10〜20問程度の《読了後クイズ》を作成
と、まぁこんな感覚で読書プログラムを作成できたら、読書行為が一種のゲーム感覚で取り組むことができ、「僕は今学期、6200ポイントゲットした!」とか、「私は、12400ポイントよ〜」みたいな、読書によるポイントゲッターになる。もちろん、ポイントをゲットするには、読了後のクイズに答えられなければ与えられませんので、単に何冊読んだ…という読書マラソンみたいなものとは大きく異なります。
というわけで、僕が今考えている「読みやすさ度」レベルづくりから、ポイントゲッター式読書プログラムまでの…とりあえずの鳥瞰図です。
平日は山中湖村の森の中にある図書館 山中湖情報創造館に、週末は清里高原の廃校になった小学校を活用したコワーキングスペースもある 八ヶ岳コモンズにいます。「わたしをかなえる居場所づくり」をイメージしながら、テレワークに加えて動画撮影やネット副業などにもチャレンジできる図書館/コワーキングスペースづくりに取り組んでいます。
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