教育基本法改正案が可決された。
気になるのは、そこにある“郷土”という言葉だ。
(教育の目標)第二条 には、
五 伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。
地域ではなく、郷土という言葉の意味するところは、やはりホームタウン(生まれ育ったところ)という意味を持っていると思う。
僕自身は、東京都生まれ、埼玉育ち(実家はここ)、そして今は山梨だが…「郷土は、どこですか?」と聞かれれば….「う〜ん?!」っと唸ってしまう。
自衛隊出身なので(?)、我が国という言い回しには違和感はないものの、郷土を愛するといわれると、「郷土だけじゃないよ、今住んでいる地域だって大切に思う気持ちは変わらないよ」…と、思うのです。郷土をフィルタにされると地元住民と新住民との壁が、特に転校してきた子どもたちが、郷土という言葉でいじめの対象になりはしないかと…心配ですね。
そうした、とても個人的な心情もさることながら、図書館界においては、「郷土資料」が「地域資料」として定着してきていることに対して、ちょっと逆行することも拭えない。また、いわゆる『地域ブランド』を『郷土ブランド』と言うのも…ちょっと変な気がする。
日本という国に対して、今後計画されている道州制に伴う地域(=広域の郷土)が登場するのだろうか….しばらく“郷土”という言葉を、地域と比較しながら考えていきたい。
平日は山中湖村の森の中にある図書館 山中湖情報創造館に、週末は清里高原の廃校になった小学校を活用したコワーキングスペースもある 八ヶ岳コモンズにいます。「わたしをかなえる居場所づくり」をイメージしながら、テレワークに加えて動画撮影やネット副業などにもチャレンジできる図書館/コワーキングスペースづくりに取り組んでいます。
コメント
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わたしは、「郷土」というと、自然をイメージするかな?
山とか、海とか。。。
一方の「地域」は、人とか、町を含んだイメージを持ちます。
学校とか、駅とか?
あと、「郷土」と言った場合には、県とか、下手したら、日本という国全部も、「郷土」と言っても、違和感は、ないかな?
わたしの田舎は、鳥取の西部ですが、東部にある鳥取砂丘も「郷土」だと思います。
個人の帰属意識に関係してくる微妙な感じですね。 Like
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>ちあぽん さん
そう。そういう意味もあると思うのです。
特に…「国破れて山河あり…」というときの、山河っていわば郷土なんじゃないかって。我が国というのは政治体制をも含んでいるのですが、郷土というとそれを超えた…こう、いわば例え国が滅んでも「守るべきもの」としての郷土というイメージが出てくるように感じているのです。 Like
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大泉ふるさと歴史資料館のご縁で、maruyamaさんのブログを拝見。刺激的な内容ですね! このエントリーでは、「そうか、地域委員じゃなくて郷土委員だったら、キタリモンにはなれなかったかもなぁ」としみじみ感じましたよ(笑)。郷土や故郷の「郷」の意味、今のように余所の土地に移り住む人が珍しくない時代には、新しい視点で考えてみる必要があるでしょうね。
私のブログは地域委員任期切れの27日に終了しますので、そのうちにmixiからマイミクをお願いしようかと・・・。よろしくお願いしま〜す。 Like