ときどき耳を疑うような台詞を公共図書館関係者から聴く
「うちでは、受験勉強やテスト勉強はお断りなんです」
正直言って、それって[どうよ]と思うのです。まぁ大人の都合とでもいいましょうか、理由はいろいろあるかと思います。そもそも席数が少ないとか、昔悪さをした子どもたちがいたとか…そして何よりも強力なのは他の利用者さんからのクレームを優先する体質とか….。公共図書館は社会教育機関なので学校教育である試験勉強は排除する…きわめて縦割り的な対応…が、試験勉強/テスト勉強をしに来た子どもたちにメッセージとして伝わるのです。
児童サービスは手厚いサービスで歓迎しても、結果としてYA/TEENS世代が図書館離れしてしまうのも、こうした明確な理由があるからなんですね。
図書館を建設するにあたって、その設計思想の中に[小中高生の勉強の場としても利用できる]ということを、なぜ盛り込まないのか…これは図書館建築に対するコンセプトの貧弱さとしか言いようが無い。昨今では資格取得のために勉強に来館する一般の方々も少なくはありませんので、図書館には[読書だけの部屋]ではなく[学習できる部屋]を用意することは、ある意味当然のことなのではないでしょうか(さらにYA/TEENSサービスの充実を考えていれば、「たまり場」的な場所を設計に含めることもあるかもしれません)。
今までの公共図書館は、考えてみればとても[利用者を限定したサービス]しか提供していなかった…極めてサービス提供者側の都合にあった利用者さんだけに向けたサービスのあり方だったのではないか…と、思うのです。
これからの図書館を考える上では、こうした試験やテスト勉強の需要(ニーズ)があることをふまえて設計し、運営しする図書館経営が必要だと…とても強く思うのです。
【はてなブックマーク】いろいろご意見をいただいております。
平日は山中湖村の森の中にある図書館 山中湖情報創造館に、週末は清里高原の廃校になった小学校を活用したコワーキングスペースもある 八ヶ岳コモンズにいます。「わたしをかなえる居場所づくり」をイメージしながら、テレワークに加えて動画撮影やネット副業などにもチャレンジできる図書館/コワーキングスペースづくりに取り組んでいます。
コメント
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「うちでは、受験勉強や試験勉強はおことわりです。」
え!本当ですか。正直言って驚きです。公共図書館は、利用者の利便性を考えなくて何を考えるのだろうか。目的はどうであれ、一人でも多くの人に満足して利用してもらうことを考えてもらいたい。
あちこちのブログやその他でも書いたが、公立図書館の蔵書は、基本的には全て開架式にして置くことを望む。特に新しく建設する山梨県立図書館には望む。アメリカのある公立図書館では、100万冊以上の全ての蔵書を開架式にして置いており、利用者は手に取って自由に読むことが出来る。 Like
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>ひろ坊さん
コメントありがとうございます。
追加した【はてなブックマーク】をご覧いただくとわかるのですが、図書館で子どもたちが試験勉強の場として使うことに対しては[抵抗]があるのは事実なんです。
それと[全部開架]はまた別の話で、単位面積に対する収蔵数を考えると[閉架書架]を置くことで蔵書数を増やすことができます。すべて開架にしてしまうと、たぶん蔵書数は2/3〜1/2程度まで減少してしまうのです。特に県立図書館ともなると、市町村の図書館と同じ機能に加え、[保存館]としての機能も考えなくてはなりませんので….
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「試験勉強」は、持ち込んだ参考書・問題集に取り組むことが主となるわけなので、快適な机と椅子さえあれば良い訳です。そういう意味では、学校なり公民館なりに自習室がある方が本来の姿であり、資料提供の場である公共図書館が引き受けなければならない必然性はまったくないと考えています。
ついでに書くと、「試験勉強」は本質的に、既に定型化されている問題に高得点を得るための準備ですから、回答の無い問題に取り組むため種々の資料を渉猟する、というタイプの「勉強」と区別するべきだと思っています。
とは言うものの、定型化されている問題に早く的確な回答を出すことの自己訓練をする場が図書館にしかないのも悲しい現実ではあるので、そこで教条的になりすぎて、サイレント魔女リティを敵に回すのも得策ではないかとは思いますが… Like
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>power_of_math さん
コメントありがとうございます。
学校はすでに…放課後にはトットと子どもたちを下校させ、部活動に参加している以外の子どもたちにとっても居場所でもなく、自習できる場所ですらなくなっているようです。もし「公民館」が学習場所を提供している事例があれば、知りたいですね。
ただ…もう従来の枠組みのハコモノだけでは解決しない世の中になってきていて、これは「図書館」とか「図書館じゃない」とか、「図書館とはかくあらねばならぬ」とか…言うことにどれだけの意味があるのか…なんてことを思ったりもします。
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こんにちは~~~~。
富士山はもう夏の装いですか。
図書館の中には学習室を持っているところがかなりありますので感心しています。それでなくちゃね。
図書館はみんなのためといいながらサラリーマンはほとんど土日に利用いできればいい方でそれも不可能なこともあるうえに、学生はほとんどだめで大人の学習だけはいいなんて変です。
結局は暇人のための場所だってことになっているでしょう。ブーーブー。 Like
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>旅子さん
9時-5時開館では、サラリーマンさんに対して「使うな!」というメッセージを送っていると思うのです。まぁ、お仕事で調べものに使っていただけるといいのですが、そういう使い方をしている方は…かなり少ないです。
人間には[家庭]と[職場/学校]の往復ではない第三の場所が必要で、それがおじさんが通う飲み屋だったり、奥方がたむろするファミレスだったり、コンビニやゲーセンだったり、マンガ喫茶だったり…するのだけれど、そんなひとつに[図書館]っていう選択肢もあるよ〜って、言いたいですよね。 Like