3月17日(土)は、横浜で開催された
シンポジウム「地域を記録する〜地域とアーカイヴ〜」
に参加してきました。
第1部:地域を記録する活動から学ぶ
『高知遺産』を作った高知の竹村直也氏のお話。興味深かったのは、書籍というコンテンツをきちんと成立させるために、ボツはボツ。集った写真の半分は切り捨てたことで、より濃縮された地域の写真集ができた…とのこと。あれもこれも盛り込んでしまったら、まとまりのつかないモノになっただろう..ということ。
また、「わが町 かながわ 50選」の片岡公一氏。コンサルタントとして関わりながら、デジタルアーカイブをまちづくりの道具として用いてるところが興味深い。
第2部:「市民デジタルアーカイブ」事例報告
横浜市内でデジタルアーカイブに取り組んでいる団体から、6団体の事例報告がありました。技術力のあるところは、GoogleMapsを取り入れたり、動画を駆使していたり、それぞれが魅力的なコンテンツとしてのデジタルアーカイブを構築し、その活動を通じて、「私」と「地域」の関わり方を見つめ直す…いや、むしろ再構築していこうとする姿がありました。
第3部:ディスカッション
テーマは「地域の未来にデジタルアーカイブをどう活かすか?」
様々な意見が出てくる中で興味深かったのは
- 市民によるデジタルアーカイブ構築への取り組みは、敷居の高いものではない。
- リタイヤされ地域に戻ってきた人たちが地域との繋がりを求めて活動することも大事。
- ヨコの関係やタテの関係を考えてはどうだろうか。
- あるグループのデジタルアーカイブと別のグループのデジタルアーカイブが関連も持てるような仕組み
- GoogleMaps等で地図上にプロットすることはできるが、時間軸(年表)でプロットできるシステムが欲しい
- 著作権…特にワークショップやみんなで参加して作られる創作物に対する扱いをどうするのか。(共同著作物とすると、参加した全員の許諾を得ないと使うことができない。かといって、クリエイティブ・コモンズほど手放したくはない…そのあたりは、協働による知財としても捕らえる必要がありそう)
- 持続性/継続性の問題
今作っているデジタルアーカイブが、50年後、100年後にも見ることができるのだろうか。 - ココのデジタルアーカイブに対して、本に対して図書館があるような仕組みづくりが必要ではないか。
- ひょっとしたら、市民/地域デジタルアーカイブのための財団(NPOレベルではない)の設立が必要なのでは…なんていう過激?な意見もありました。
デジタルアーカイブが本当に社会的に必要とされるためには、きっと今の状況では不十分で、何か次のもの…の登場を待つ必要がありそうなのです。10年後も再生できるデジタルアーカイブは、さらに50年後、100年後でも見ることはできるのか。できるようにするには、どんな仕組みをつくったらよいのか。
僕自身も前のNPOで2000年に構築したシステムがあるのだが、まだ10年経っていないにもかかわらず、すでに中身を見ることはできない。サーバを維持することができないのだ。
もうそんな悲しい思いはしたくはないし、デジタルアーカイブに関わっているすべての人に同じ思いをさせたくはない。そのためには何をしたらいいのか。僕自身の次なるビジョンになりそうです。
・横浜市民メディア連絡会
・神奈川情報ボランティアネットワーク
※そんな思いを新たにできたシンポジウム。こんどはぜひ山梨でも。
※一宿一飯の恩義。このお礼はいずれまた。> K山様 m(_ _)m
平日は山中湖村の森の中にある図書館 山中湖情報創造館に、週末は清里高原の廃校になった小学校を活用したコワーキングスペースもある 八ヶ岳コモンズにいます。「わたしをかなえる居場所づくり」をイメージしながら、テレワークに加えて動画撮影やネット副業などにもチャレンジできる図書館/コワーキングスペースづくりに取り組んでいます。
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