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「関係性を著す言葉」

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前述の「知識の単位」によって、粒化/モジュール化/単位化/ユニット化されたものは、リレーショナルデータベース世界でいうところの“正規化”に相当します。
この正規化された情報の単位/知識の単位は、それだけでは百科事典の一見出し語にしかすぎません(ただし、後述しますが再帰的な構造をしてます)。

単位化された知識は、いくつかの方法で組織化することができます。
情報建築家のリチャード・ワーマン氏によれば、その方法は5つ。
1.カテゴリー(図書館ではNDCやDDC、Yahoo!のカテゴリー化など様々)
2.時間(日付、時間、年表などに情報を位置づける)
3.位置(地図、図上のポジショニングなど)
4.アルファベット(あるいは五十音)
5.連続量(ランキング、ページ数など)
これらは、機械的に組織化する方法ですが、僕としては人為的(機械的にではなくなんとなくも含めて)に組織化する方法として
6.グルーピング
7.物語化
の7つの組織化方法があると考えています。

6.グルーピングは、なんとなく集めてみる組織化から、明確な目的をもったグルーピングがありますね。iTunesのプレイリストを作る感じ。
7.「物語化」があることを発見した時は、正直おどろきましたね。こんなにフレキシビリティがあり、あらゆる手法を使いながら、[知識の単位]をつなぐことができます。それは文学の世界だったものが、実は情報工学の世界でも通用する手法になる…と。あたかも、テーブル構造に縛られたリレーショナルデータベース使いが、XMLデータベースに出会った時ぐらいの衝撃(…って、どんな衝撃?…「えっ、そんないいかげんでいいのぉ?」)。

でも考えてみてください。人類のこれまでの歴史は、まさに[知識の単位]を[物語]によって組織化し、語りつがれたり、記録されたり、文学や映画になったりと、非常に融通性(フレキシビリティ)の高い組織化手法であると、考えています。

その中で使われるのが、「関係性を著す言葉」なのです。
例えば
・人物ならば、親子・兄弟・ライバル・夫婦・恋人などなど
・組織であるならば、親会社/団体、設立から今日までの紆余曲折(合併、分割、解散とか)
・組織と人物ならば、例えば[人物:丸山高弘]は[団体:地域資料デジタル化研究会]の[関係:副理事長]である。
・場所/施設ならば、[人物:丸山高弘]は[施設:山中湖情報創造館]の[関係:館長]である。[団体:山中湖村教育委員会]は[施設:山中湖情報創造館]の[関係:設置者]である…とか。

先のイベントのチラシでいえば、
[イベント:○○ワークショップ]は[施設:山中湖情報創造館]を<関係:開催場所>で[日時:○月×日]を<関係:開催日>とし[団体:地域資料デジタル化研究会]の<関係:主催>です。
のような感じ。書き方を変えてみましょう。

[イベント:○○ワークショップ] <関係:開催日> [日時:○月×日]
[イベント:○○ワークショップ] <関係:開催地> [場所:山中湖情報創造館]
[イベント:○○ワークショップ] <関係:講師 > [人物:丸山高弘]
[イベント:○○ワークショップ] <関係:主催者> [団体:デジ研]

そこで、この[ ]で囲んだ「知識の単位」と単位を繋げる言葉が、< >で囲んだ「関係性を著す言葉」なのです。さらに厳密にいえば、関係を著す言葉は相方向対で存在します。

[人物:長嶋茂雄] <関係:親子> [人物:長嶋一茂]では、関係性ちょっとあいまい。

[人物:長嶋茂雄] >関係:息子> [人物:長嶋一茂] (第一子とか長男もあり)
[人物:長嶋茂雄] <関係:父親< [人物:長嶋一茂] このようにすると、親子の関係性がはっきりします。関係性はこのように相方向の対になることが多いですね。 それやこれやを基本的な考え方として構築する情報システム。
それを作ることが、僕のテーマなのです…が、いったいいつになったらできることやら…。

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