日本の児童文学や子ども向け読み物の中に、魅力的なキャラクターが絶滅状態である…などとちょっと過激な書き方をしましたが、第二弾は『場所(舞台設定)』についてです。
例えば、「ホグワーツ」「シャーウッドの森」「ネバーランド」「グリーンゲイブルス」…土地の名前だったり建物の名前だったりが混ざっていますが、物語世界の中に存在する『場所』についての記述。
これも、実は日本の児童文学の中には稀少/稀薄なんじゃないか…って、感じているんです。
唯一存在しているのは、「イーハトーブ」くらい。
というわけで…
「日本の児童文学には、行ってみたい『場所』がない!」
と仮説を立ててみたい。
異論・反論・ご意見求む!!
平日は山中湖村の森の中にある図書館 山中湖情報創造館に、週末は清里高原の廃校になった小学校を活用したコワーキングスペースもある 八ヶ岳コモンズにいます。「わたしをかなえる居場所づくり」をイメージしながら、テレワークに加えて動画撮影やネット副業などにもチャレンジできる図書館/コワーキングスペースづくりに取り組んでいます。
コメント
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もしよかったら仮説を始める前に、丸山様がお読みになった「日本の児童文学」を思いつく限り列挙していただければ幸いです。
ジャンルについて抽象的な意見を出される場合、出す方がどれだけの作品に目を通した上で語っているのか、そして古典重視なのか現在重視なのかで説得力が違ってきますので……。 Like
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そんなに児童文学を読んでいない人の認識として…どうなのかな、と思っているのです。
例えば、このLibrary of Congress(米国議会図書館)が作ったCM。
もしこの日本版を作るとしたら、行き先案内版に表示される地名/場所ってどこだろう…って思った時に、思いつかなかっただけなんです。
http://www.youtube.com/watch?v=gP18m-slK8A
http://www.youtube.com/watch?v=b6qAFaOeUzY
http://www.youtube.com/watch?v=0Kj-hRI4kw0
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別の言い方をすれば、
「その物語を読んでいない人でも、耳したことがある/聞いたことがある物語世界の場所」ということで考えています。
例えば、
「イーハトーブという地名を知っている人の全員が、宮澤賢治の物語を読んでいる訳ではない」=「宮澤賢治の物語を読んでいない人でもイーハトーブという地名は知っている」
そんな感じの場所(地名/施設など)
なので、物語を読んでいる人が、物語世界の地名を知っているということよりも、物語を読んでいない人でも知っている地名が、日本の児童文学には少ないんじゃないかな…という仮説、なのです。
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なので…いやぁ〜丸山さん、そんなことないですよ。
・「◯◯物語」に出てくる△△国は、有名じゃないですか。
・「◆◆伝記」に出てくる●●ランドを、丸山さんは知らないのですか!
というコメントも欲しいところです。
(あぁ、自分の無知をさらけだしてますが…、そんなことをはじめてみたい)
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はじめまして。通りすがりの意見で恐縮ですが、福永令三著「クレヨン王国」シリーズ(講談社)のクレヨン王国は、いかがでしょうか。作品ごとに違う側面が描かれていて、一口に説明できないのが申し訳ないのですが、子供心にひどく憧れたものでした。
「物語を読んでいない人でも知っている地名が、日本の児童文学には少ない」とのことですが、一因として、そもそも日本の作品が「大人の目に触れる場所であまり紹介されていない」ことが挙げられるのではないかと思います。ハリー・ポッターは映画化されましたし、赤毛のアンは世界名作劇場になっていたと思います。
クレヨン王国は一度アニメ化されたのですが、日曜朝放送の女児向けのものでした。大人をターゲットにした他メディア化、というのが知名度に影響することは考慮の必要があると思います。
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(続きです)
また、そもそも日本の児童文学の歴史が浅く、(私個人の感覚ですが、70年代以降にやっと、といったところでは)国内に権威が不在であることが、いまひとつ注目を集めない/巷間に広まらない事態を招いていると思います。
古くには民話と海外作品が、新しくは漫画が、児童向けの物語で文学に競合しているため、なかなか表舞台には立ち難いのでしょうか。この30年ほどで作品数はかなり増え、良質なものも多いので、声の大きなまとめ役のかたがいると、状況は変わると思います。
講談社の青い鳥文庫は割と歴史があり、現在も勢いのあるレーベルですので、作品群を是非チェックしてみてください。
より低年齢向けについては知識不足ですので言及いたしませんでした。長文失礼いたしました。 Like
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近年、暴論を言えば戦後以降の日本の児童文学作品のメディアミックス展開が貧弱すぎた事が、世間一般での知名度の不足を招き、結果として御身のにそのような認識を抱かせたようですね。
映画、特にテレビの出現・普及以降はアニメやドラマにならないと認知され難く、日本の児童向けの場合は漫画の影響力が質量共に圧倒的だったので圧されてしまったわけですが、だからといって自分が知らないから、魅力的なキャラクターも舞台も存在していないと断じる(そう受け取られても仕方がない)書き方はあまりに乱暴ですよ。
そこまでおっしゃるなら、どれぐらいの作品に目を通されたのか提示するのは、議論を進める上で必要な事だと私は思うのですがどうでしょうか?
この件で私は丸山様が本当に「稀少/稀薄」「絶滅状態」と断ずるだけの作品数を読まれたのか疑問を抱かずにはいられませんし、読んでいないのなら他に書き方があったと思うのですが。 Like
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>yuzumuge さん
ご指摘ありがとうございます。
無鉄砲な[暴論]でお気を悪くされたらごめんなさい。
実は、自分の無知をされして極論を書くには訳があります。ブログのようなメディアに書く意見に対してコメントをいただくためには、あえて[異論・反論]が出てくるような書き方が必要なのです。
「なるほど、そういう考えもあるよね」程度に納得されてしまう内容では考えを共有したり、とりあげる[事象]を見るための多角的な意見をいただくには、ここでは「稀少/稀薄」「絶滅状態」などという単語を使ってみました。
ご意見をいただきまして、本当にありがとうございます。
日本の図書館、読書環境を向上させるために、たぶんこれからも暴論(?)を展開するかとおもいますが、よろしくお願いいたします。
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ブログを読んでまず思い浮かべたのが、湖水地方(ツバメ号とアマゾン)。日本の児童文学をそんなに読んでいないのでわからないのですが、湖水地方みたいに、「いつか行ってみたいな〜」と思わせるような名作が欲しいですね。その意味では、地域自体の魅力の発掘がなされていないようにも思います。山中湖村は日本版ツバメ号の舞台になりうるか……?!
議論も拝読しましたが、なにより「新しい切り口で、ものごとを眺めてみて、問題把握・解決の糸口を探す」という、まるさんの姿勢に共鳴します。社会学の世界ではあたりまえのことだもの。
まるさんの「土地/施設」論からは、地域の魅力/児童文学が誕生する背景/メディア環境/作品の力という、複合的な論点が抽出できたように思えます。
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>やまこ さん
応援ありがとうございます。
たとえば「イーハトーブ」のような場所がもっとたくさん日本に生まれないのかなぁ…と思っているのです。しかも僕の場合、それが一人の作家の一つのシリーズの中で終わるのではなく、ひとつの場所を複数の作家が作品の舞台とできる場所があると、もっといいなぁ…と、思っていたり。
イーハトーブを作品に使っているのは、宮澤賢治とますむらひろしさんくらい。山梨のどこかにそんな「作品舞台にできるロケーション(場所/地名/施設…)」を誘致してもいいかなぁ…なんて思ってます。
実は、箱根はアニメ作品ですがそれをやるみたい。
http://www.hakone.or.jp/blog/special-feature/index_eva.html
これはひとつの「ストーリ・コミッション」かもしれません。
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今回の児童文学関連の“議論”において、私は“暴論”よりも丸山様がご自説の論拠を示されないことの方が問題だと思います。
少なくとも具体例を挙げて反論されたyamada5さまに対して、貴方の態度ははなはだ不誠実ですよ。
「異論・反論」が出るような書き方をあえてされる理由はわかりましたが、それだけで本当に議論が広がるのでしょうか?
今後同じように異論・反論を欲して暴論を書いても、貴方がそれらの意見を寄せた方に対し自説の論拠も示さず言いっ放す不誠実な人と思われたら、同様に論拠を示さない暴論が返ってくるか、全く相手にされなくなるかのいずれかだと思うのですが。
私も以前、自分のブログで具体的なデータを示さない陰謀論を書いて“炎上”させた事がありますけど、議論において自説の論拠を示さないのは、その場の空気で押し切れず、四六時中冷静な環境で読み返せるネット上においては致命的です。
論拠があるのでしたらその論拠を。万一無いのでしたら論拠を示した相手に対してそれなりの態度を示すのがマナーではないでしょうか?
私からは以上です。では。 Like
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>yuzumuge さん
私の“暴論”を認めていただきありがとうございます。
では、“論拠”ですね。
まず、今回のことに関しては、基本的にインタビューです。
僕自身が感じたことを、うちの職員はもとより、近隣の図書館の方にもあれこれ伺ってみました。その時点で判明したことは、「児童書を読まれている方には、あのキャラクター、このキャラクター。あの地名やこの場所」というのはあげられるのですが、結果としてそれれのキャラクターや場所名がどれだけ一般の方にも認知されているか…を勝手に判断したものです。
アンケート/聞き取りとしてのサンプル数は圧倒的に少ないのは承知の上ですし、一般の人の認知度の基準も独断が入っています。
今回いただいたご意見はとっても貴重で、参考になるものばかりです。子どもたちにどうやって読書にいざなうか、ポスターづくりやチラシづくりに活かせる要素ばかりです。ただ、それでも感じるのはどうしてこれらの作品が、大人選ぶ「子どもたちにススメたい本」に入ることが無いのか(少ないのか)。大人がススメたい本と子どもたちが読みたい本の乖離が、とても大きなギャップがあることも感じました。
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夏休みに向けて、ちょっとした「子どもたちへの読書推進」のアイテムづくりを検討中だったこともあり、これまでのススメたい本から路線を変えてみようと思っています。
みなさんの図書館ではいかがですか?
また、図書館の外からみて、子どもたちの読書推進になりが足りないと思われますか?
僕のつたない自論+聞き取り調査から得た仮説から、気分を害された方がいらっしゃいましたら、申し訳なく思っております。それは本意ではありませんので。
これからもご意見のほど、よろしくお願いします。
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たしかに、まるさんは、いま、試行錯誤「論」のさなかにあるように思えることがあります。それはそれで(誠実に対応してゆけば)よいのかもしれないけれども、まずは「(もっと)等身大の自分として発信する」ということをもっと意識してみてはいかがでしょうか。ご自身のお子さんたちとの本をめぐる話とか。
yuzumuge さんのおっしゃっていることとは、ズレているかもしれませんが。横レスごめんなさい。
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うちの子どもたちは…ちょこっとずれている..いやだいぶずれてる。
あの嗜好を一般的と捉えることはできないだろうな、たぶん。
今ハマっているのが、ニコラ・フラメルだったりするから。
(でも、そういうキャラクターが欲しいんだって。ジャンルは偏っているけど、安倍晴明とか…そのうちニコラ・テスラとか、加藤保憲とか、九十九乱造とかになっていったら、たぶんまちがいなく僕の娘だ)
という意味で、キャラクターなんです。彼女にとってはヒーローのようなあこがれ(?)の存在。そうした強烈なキャラクターが、大人たちが考える「子どもにススメたい本」から消えているように感じているのです。
だから逆に、読書だからといって「本」を進めるのではなく、むしろ《キャラクターと出会わせる》ことに視点を変えてみたらどうだろうか…また《行ってみたい旅先を案内する》ように視点を変えてみたらどうだろうか…と、思っているのです。今年の夏の[サマー・リーディング]に向けて。 Like
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ちょっと枠組みがゆるくなりますが、
小川未明の『赤い蝋燭と人魚 』
「日本海」の持つ独特の荒々しさ、寂しさといった風土的なもの抜きには成立しないという意味で、土地、風土に根ざしているように思います。
また児童文学という定義に収まるかは、微妙ですが、井上靖の『しろばんば』あの作品も、全体として実に「伊豆」的イメージ?が濃厚な作品のように思います。
北 杜夫の『どくとるマンボウ青春記』は、いまでも、YAの作品として、勧める事のできる作品だと思いますが、ここでえがかれる「松本」は土地としての強い輝き、魅力を持って描かれていたように思います。
たしかに皆さんもおっしゃられるような「行ってみたくなるような舞台が」日本の児童文学にあまりないというのは当たっている気がします。
『湖水地方』『プリンスエドワード島』『大草原』(ローラシリーズ)
『白夜の夜?』(リンドグレーン)などなどみたいな。
これは文学ではないですが、大林監督が山中恒の児童文学や筒井康隆のジュブナイルを原作にして「尾道」という土地を、あるしゅの聖地としたことが思い起こされました。
PS有島武郎の『一房の葡萄』の横浜山の手のハイカラさ!!! Like
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>jam-014 さん
コメントありがとうございます。
大林監督を引き合いにだされた時点で、僕はあなたの友達です(笑。
そう。
現実の世界であろうと、空想の世界であろうと、物語を読んでいて[そこに行ってみたい]と思わせてくれる場所が、日本の児童文学や子ども向け読物の中に少ないように思っているのです。単に土地や場所が書いてあればいいってもんじゃなく、おっしゃるように『そこに行ってみたい』がないことに気がついちゃったんです。これは最近のキャラクターもの読物でも、[場所]の設定もありますが、まだまだ[そこに行ってみたい]を思わせるものは…出てきてないんじゃないかな。
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