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憲法9条と自衛隊

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先に、僕の意見として「憲法9条は変えてはならない」と書いた。
では、自衛隊についてどう考えているのかを示さなければならないとも思っている。
僕は「自衛隊は合憲。ただし進化途上にある」と。

まず「自衛隊」は、人類の歴史上初めて存在する『戦う事を止められた武装集団』という希有な存在である。歴史によれば人類が戦うための武装集団を組織してから6000年がたつという。最新装備の米国軍ですらその枠の中である。しかし、自衛隊は全く異なる。その誕生時から交戦権を持たない武装集団なのである。これが何を示しているのか考えて欲しい。これは人類の歴史上かつてなかったチャレンジなのではないだろうか。そして戦わない武装集団は、その制約された環境の中で生存するために、様々な組織生命の叡智をもって“進化”ともいえる変貌をとげる能力を得ることとなる。他国の侵略に対する自衛だけでなく、自然災害や大規模な人的災害などから国民の生命と財産を守ることも、その進化の過程のひとつである。今後、地球温暖化によって大規模化・凶暴化する自然災害に対する備えを持つ事も、国民がそれを望むなら必ずそのような姿に進化するだろう。
そして、自国の平和のみならず、国際平和を誠実に希求する日本の役割を真剣に考えながら、それを実行する組織としての自衛隊の存在もまた、戦う事を止められた武装集団であればこそ、できることがあると考えている。

そして、この「自衛隊」をモデルとした、軍より出て軍より平和を構築するための組織/機関を、必ず人類は手に入れる事ができると信じている。人類にはその叡智がかならずあると確信している。
その時にモデルとなるのが、「憲法9条下で進化をとげた武装集団である『自衛隊モデル』」なのだと思っている。

だからこそ、苦しくとも、存在に矛盾を抱えつつも、憲法9条を変える事なく現在の自衛隊を存続させる。ただし、必要なことは今以上に自衛隊とその活動に、国民全体が関心を持つことである。そして、自衛隊自信も、もっと国民に知って欲しいと、出来る限りのこと公開し、国民とともに情報を共有する必要があると考えている。

ここで肝心な憲法9条を変えてしまったら、人類初の試みがまったくの無に帰してしまう。日本人はそれほど愚かではないはずだ。あの戦争で敵味方を問わず犠牲となったすべての命から、多くのことを学んだはずだ。だからこと、世界が真の平和を手にするために、日本が何をすればよいのか、何ができるのかを考え、実施するためにも、この憲法9条下の自衛隊の存在は不可欠なのである。

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