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月刊「自治フォーラム」 vol.568 2007.1

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今日、届きました。
目次を見ると…恐れ多いと言いましょうか….

特集 公立図書館〜今何が問題なのか〜
2 新春を迎えて 自治大学校長 吉田哲
4 [視点] 公立図書館の今日的な課題 慶応義塾大学教授 糸賀雅児
7 [解説] 分権時代の公立図書館の役割 昭和女子大学教授 大串夏身
13 公立図書館経営の当面する課題 帝塚山大学学部長 柴田正美
19 公立図書館における情報通信技術の活用 東京大学大学院教授 根本彰
26 [事例] 市民とともに歩む鳴門市立図書館(鳴門市立図書館) 高田博子
31 山中湖情報創造館から見える「これからの図書館」
  ー公共図書館の指定管理者からの提言ー(山中湖情報創造館) 丸山高弘
39 地域振興に資する図書館
  ー愛知川図書館の事例を中心にー (滋賀県愛荘町愛知川図書館) 渡部幹雄

 ・月刊「自治フォーラム」

— 感想 —
糸賀先生: 「これからの図書館像」を力説されてますね。ただ…[検討]や[検討課題]…という語句が気になります。検討している時間がどれだけ残されているのか….
大串先生: この雑誌を読まれる公務員の方々に向けて、「図書館ってそんなことまで答えてくれるのか」という事例があるところは、レファレンスの大串先生ですね。糸賀先生と同様に、最後には“人(専門家)”の養成について言及されているように、従来の『司書課程』卒業だけでは、「これからの図書館像」の実現は難しいようです。
柴田先生: 公立図書館に対する、指定管理者制度だけでなく、今後の市場化テストについての示唆は興味深いですね。気になる点としては、指定管理者制度の問題点として、1)資料選定と2)図書館間協力をあげておられますが、資料選定は指定管理者の評価として貸出冊数のみを重視しなければ解決できそうですし、図書館間協力(相互貸借)は、指定管理者はあくまでも設置自治体の代行であることを考えれば、「指定管理者だから図書館間協力はできない」ということは、ありません。
根本先生: 公立図書館にもっとICT(情報通信技術)を取り入れることは大賛成!! 図書館自身が「情報コンテンツの提供」も納得….ただ…やはりここでも従来の司書課程修了だけでは、充分ではないですね。むしろ、図書館以外の能力(需要を予想できる能力…とでもいいましょうか…)が必要になると。それにしても、「メメックス」やら「ザナドゥ」やらが記述されているので、うれしくなっちゃいます。
高田係長: 鳴門市立図書館の実践、興味深く読ませていただきました。図書館ボランティアからNPO法人が生まれ、そのNPOが片や受託業務を行ない、片やボランティア活動を行なうという、アクロバティックな運営手法をぜひ見てみたいです。ただ正規職員と受託スタッフとが、とても良好な関係が築かれているだけに、塔婆心ながら「偽装請負」「偽装委託」にならないよう注意が必要ですね。
丸山: まぁ、ご一読いただきまして、ご意見・ご質問・ご批判をお受けしたいと思います。
渡部館長: 日本の公立図書館会において、一番(?)気になっている図書館長さんです。意外なのは、その館長さんにしても現在日本の公立図書館が一般市民において充分に正しく認識されていない点を憂いている…というところでしょうか。愛知川図書館においても、未だ住民の市民権を得ておらず…というのは、すごい。まだまだ、いろいろと「攻め」てくる公立図書館の意気込みが感じられます。図書館の持つ保存機能によるアーカイブが「町政50年の歩み」スライドショーの作成に役立てたり、ボックス型ファイルの活用や「まちのこしカード」など、実践からくる言葉の重みを感じます。

図書館にはもっともっと力強い潜在能力があるにも関わらず、「本だけ貸していればいい」「こどもたちに絵本をよんであげさえすればいい」…なんていう感覚しか持ち合わせていないとしたら、そのツケがここにきてはっきり出てきたように思います。アメリカやヨーロッパだけではなく、すでにシンガポールや上海、ソウルの図書館のありようからも、日本は大きな水をあけられている。ひいてはそれが、子どもたちの教育力や市民の民力に影響を与え、経済大国であることにあぐらをかいていられるのも時間の問題。

ぜひ、この「自治フォーラム」をお読みの公務員のみなさんに、公立図書館の将来を考えていただきたいと思うです。指定管理者にしても市場化テストにしても、「民営化」ではなく、飽くまでも「行政サービス代行」なのです。根本となる図書館政策は、設置自治体や教育委員会の意向を、その地域における公立図書館のビジョンとミッションを掲げ、その目的をいかに費用対効果を高める運営には、直営がよいのか指定管理者がよいのかを選択していただきたい。

…なんて、思うのです。

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