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天秤には掛けられないが、お財布はひとつ。

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以前、「公の施設…がたどる未来」を書いている時にも感じていたが、自治体の財政状況は、僕たちが認識している以上に、深刻なのかもしれない。
年末年始、大阪で立て続けに起こった《救急搬送のたらい回しによる死亡事件》などを考えると、同じお財布から出るお金を、あっちはあっち(福祉や医療)、こっちはこっち(図書館や文化施設)などとは言っていられない状況なのではないだろうか。
そんな中で、昨年末に書かれたブログが気になる。

 ・公立図書館運営費は医療費にまわそう! Ceekz Logs

もちろん、財政的に豊かな自治体では天秤にかけるような事ではないのかもしれないが、全国の多くの自治体の財政状況を考えると、そうも言っていられないのではないだろうか。

 指定管理者制度は、経費を削減しサービスを向上するという一見相矛盾した制度かもしれない。しかし、この言葉使いがそもそも間違えている。正しく言い換えれば「公費支出を削減しサービスを向上する制度」であり、かかる経費総額を減らさなければならない理由はどこにもない。公費支出を削減した分は、指定管理者による民間からの補填によるものであり、その財源は利用料金等を含む公の施設での営業収益を当てる事である。
 がんばる民間企業は、その売上げをもって公費支出を補填し、補填された支出分は、図書館予算から医療や福祉予算へと振り向ければいい。
 当然ながら、図書館サービスが低下してよいわけではなく、サービスは向上させなければならない。
 直営では、こうした取り組みはできないのではないでしょうか。。公費が削減されれば、そのまま事業規模の縮小になり、サービス低下はまぬがれない。
※直営公立図書館において、予算を削減してサービスを向上させた事例があれば、ぜひご教授いただきたい。どのような取り組みをしたのか、とても興味がありますし、僕の考えを改めなければなりませんので※

 考えてみて欲しい。
 今、目の前に死にそうな人がいて、お財布はひとつしかない。医者に看てもらうか、知る権利のために本を買うか…人道的にみても答えは決まっている…と、思うのです。。実は、それほど自治体の台所事情は切迫していることを、図書館界の人たちも知っておく必要があると思うのです。

参考にこちらの意見も
[図書館][戯言]それは、図書館があった方が安くつくからだよ
 (かたつむりは電子図書館の夢をみるか)
図書館不要論について
 (日々記―へっぽこライブラリアンの日常―)

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